外伝〜帝都への帰還〜後篇
[10/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かべていた。
「………アンタにとっては全ての要素は”駒”だからな。あの皇子も、このオレもそして”身喰らう蛇”とやらも。例外はあの”魔王”ぐらいか。」
「そう、そして私自身もだ。帝国という巨大な盤上を舞台にした魂が震えるような激動の遊戯………そしてそれをかき乱す異世界の来訪者達…………お前も、それを見たいがために私に付いて来ているのだろう?」
「ま、否定はしないけどな。……でもこの駒は、いつ裏切るかわからないぜ?」
宰相に問いかけられたレクターは頷いた後、不敵な笑みを浮かべた。
「それならそれで構わんよ。私がその可能性を考えていないとでも思ったか?」
「フン、言ってみただけさ。ところで………他の『子供たち』はどうよ?」
「フフ、どの子も順調のようだ。この分では、皇子の頑張りも無駄に終わる可能性もあるだろう。やれやれ……少し手を抜いてあげるとしようか。」
「ケッ………悪趣味なオヤジだな。………!………なあ宰相閣下。あんまり侮らない方がいいかもしれないぜ……?」
不敵な笑みを浮かべている宰相の言葉を聞いたレクターは舌打ちをした後、ある事に気付いてその方向に振り向いて呟いた。
「なに………」
レクターの言葉を聞いた宰相は驚いた後、レクターが見つめている方向に身体を向けて見た。すると甲板にミュラーを伴っているオリビエを乗せた”アルセイユ”とその真横を飛んでいる”モルテニア”が宰相達が乗っている定期船に並んだ!
「なっ………!?」
それを見た宰相は驚いた!
「ふっ………」
そしてオリビエはバラの花束を出して、宰相達の頭上に投げ、そしてそれを銃で撃った!するとバラの花束は花びらとなって、宰相達の周りを舞った!
「………これは………」
「バラの花…………みたいだな。」
自分達の周りに舞い散る薔薇の花びらに宰相とレクターは呆けた。さらにモルテニアの砲口の1ヵ所から一つの砲弾が宰相達の真上に放たれた!
「フフ…………」
その砲弾をオリビエがSクラフト――エーテルバレットを放って、砲弾に命中させた!すると砲弾は爆発し、大きな花火が宰相達の頭上で炸裂した!その時、定期船からアナウンスが入った。
―――皆様、右舷に現れましたのはご存じリベール王家の高速巡洋艦、”アルセイユ”。そしてその隣はメンフィル王家の大型高速飛行艦、”モルテニア”でございます。本日、エレボニア帝国のオリヴァルト皇子殿下を乗せし、”モルテニア”内にいらっしゃるリウイ陛下と共にこれより帝都へ向かうそうですが………その皇子殿下から乗客の皆様に向けてメッセージを賜っております。『今日、この日に出会えた幸運を女神達に感謝する。あなた方の旅に美しきバラと花火、女神達の祝福を。そして
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ