外伝〜帝都への帰還〜後篇
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クローゼをレクターは横切って、クローゼに背を向けたまま語り始めた。
「……皇子も結構やるけどあの化物みたいなオヤジにはまだまだ及ばないね。ま、せいぜい気を付けるように言っときな。踊り疲れた所を、怪物に呑み込まれないようにってな。……それと”覇王”達の手を離すんじゃねえぞ。少なくとも奴等を味方にしている限り、リベールはあのオッサンに対抗……いや、逆にあのオッサンを呑み込む事だって可能だろうしな。」
そしてレクターはその場を手を振りながら去った。
「……レクター先輩………」
レクターが去る様子をクローゼは不安げな表情で見つめていた。
〜1時間後・グランセル国際空港〜
その後、宰相はレクターを伴って、アルセイユの傍にいるオリビエ達に会釈をした後、定期船に乗り込んだ。そして定期船は飛び立った。
「あ、あれが”鉄血宰相”、ギリアス・オズボーン殿ですか………」
「専用艇くらい持ってるでしょうにわざわざ民間の船を使うなんて………噂には聞いていたけど相当、とんでもない相手みたいね。」
その様子を見ていたユリアは驚いた表情で呟き、シェラザードは呆れた後真剣な表情で呟いた。
「フフ……なかなかスリルがある相手だよ。それよりもシェラ君。わざわざ見送り、済まなかったね。」
シェラザードの言葉を聞いたオリビエは口もとに笑みを浮かべた後、シェラザードを見た。
「ふふ、ちょうど仕事で王都に用事があったついでよ。……その様子じゃ当分、会えなくなりそうな雰囲気だしね。」
「フッ、ボクの夢はあくまシェラ君みたいな美女と一緒に気ままな日々を送る事なんだがねぇ。」
「はいはい。ま、早くそんな身分になれるようせいぜい頑張りなさいな。そういえば、あの宰相の側にいた若いのは何者なの?妙に隙のない足運びだったけど……」
オリビエの言葉を聞いて呆れた表情で答えたシェラザードは気を取り直して、真剣な表情で尋ねた。
「ほう……わかるか、シェラザード。」
シェラザードの言葉を聞いたカシウスは感心した様子でシェラザードを見た。
「ええ、それはもう。ここしばらく格上の相手ばかりとやり合っていましたから。……それに時間のある時にカーリアン様達やあの”剣帝”に相手をしてもらっていますから。」
「フッ。戦うごとに成長していくお前を見て、鍛えがいがあると奴等も喜んでいたぞ。」
「フフ、それは光栄ですね。」
リウイの言葉を聞いたシェラザードは苦笑しながら言った。そしてシェラザードの疑問にオリビエは静かな表情で答えた。
「……レクター・アランドール。帝国政府から出向していた書記官さ。どうやら今回の宰相の訪問は全て彼が段取りを行ったようだね。何者かは知らないが………相当、優秀な参謀
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