外伝〜帝都への帰還〜中篇
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「こちらこそ、異変が帰国の南部にまで影響を及ぼしたこと、かねてより遺憾に思っておりました。なのに、わざわざ宰相閣下にご足労をおかけしてしまうとは……どうか心よりの感謝とお詫びをお受け取りください。」
宰相に会釈をされたクローゼは呆けた後、気を取り直して微笑みながら答え、女王は静かな表情で答えた。
「なんの、聞けば異変の陰には得体のしれぬ組織が蠢いていたとか。そうとも知らず、ただ貴国の力になりたい一心で軍を動かしたのはあまりに愚かで軽率でありました。さすがに皇帝陛下からもお叱りの言葉を受けたくらいです。」
「まあ………」
「ですが、我が失態もオリヴァルト殿下のはからいで何とか繕われたとのこと……殿下におかれましては心より感謝を申し上げます。それと異変終息の見届け役、まことにお疲れ様でありました。」
「なに……大したことはやっていないさ。それに陛下や殿下、そしてこちらのカシウス准将やリウイ陛下達にも色々と助けていただいたからね。」
宰相の言葉を聞いたオリビエは女王達に視線をやった後、答えた。
「ほう………」
オリビエの言葉を聞いた宰相は感心した声を出した後、まずカシウスに視線を向けた。
「……お初にお目にかかる。リベール王国軍准将、カシウス・ブライトと申します。」
「フフ、貴公の高名は我が帝国にも響き渡っている。こうしてお目にかかれて光栄だ。」
「こちらこそ……名高きオズボーン閣下にお目にかかれて光栄に存じます。しかし、よもやこれほどまでに大胆な行動力がおありだとは……どうやら閣下への評価を改める必要がありそうですな。」
宰相に視線を向けられたカシウスは目礼をした後、疲れた表情で答え、そして真剣な表情で宰相を見て言った。
「なに、こちらも異変に際しての王国軍の対応には驚嘆させられた。いかなる事態にも対応しうる柔にして剛を体現した組織運用……図体ばかり大きい我が軍には望むべくもない理想の形と言えよう。」
「はは、ご謙遜を。かの名高き帝国軍情報部局は閣下自らの肝いりであるとか……その方面での立て直しが急務な我が軍にとっては羨ましい限りです。」
「ハハ……お互い無い物ねだりというわけか。」
「いやはや、そのようですな。」
苦笑している宰相に対し、カシウスは笑顔で答えた。
「そういえば………少し気になったのだがこの場に貴公のご息女や孫娘はこの場にはいないのか?」
「…………!」
「「……………」」
「……なぜ、そこで私の娘達の話が?」
宰相の言葉を聞いたクローゼは驚いた後、表情には出さないように心の中で青褪め、オリビエとリウイは真剣な表情で宰相を見つめ、カシウスは警戒した様子で尋ねた。
「なに……一般市民出身でありなが
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