外伝〜帝都への帰還〜前篇
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い明日は皆の度胆を抜くような衣装を用意するとしようか。白い褌一丁に、ギラギラ光るスパンコールのコートだけとか。」
無視されたオリビエは嘘泣きをした後、楽しそうな表情で答えた。
「…………………」
はは、それは確かに物凄いインパクトでしょうね。自分も同行していたら是非とも拝見したかったです。」
オリビエの言葉を聞いたミュラーは青筋を立てて黙り、レクターは笑いながら答えた。
「書記官………」
「フッ、若いのに随分見どころがあるじゃないか。どうだい、レクター。君も一緒に”アルセイユ”で帝都に帰るというのは?そろそろ王国での仕事も終わりなんだろう?」
レクターの言葉を聞いたミュラーはレクターから視線を外し、オリビエは口もとに笑みを浮かべて尋ねた。
「はは……”アルセイユ”には心惹かれますが次の仕事が控えておりまして。お気持ちだけ頂戴させていただきます。」
「おや、それは残念だ。まあ『次の仕事』もせいぜい頑張ってくれたまえ。」
レクターの答えを聞いたオリビエは意味ありげな視線でレクターを見て言った。
「ありがとうございます。それでは私はこれで………」
そしてレクターは部屋を退出した。レクターが退出した後、ミュラーは静かな表情でオリビエを見て尋ねた。
「二等書記官、レクター・アランドール。……やはり宰相の手の者か?」
「十中八九、間違いないだろうね。徒歩でハーケン門を通過し、この大使館位赴任したのは一月前。ちょうどボク達が”アルセイユ”で浮遊都市に向かったのと同じタイミングだ。それが偶然であるはずがない。」
「……だろうな。考えられるとすれば情報局の人間あたりか………良かったのか?今まで放置しておいて。」
「そこはそれ。宰相閣下の出方は知っておきたかった所だしね。いずれ彼からの報告を通じて何らかのアクションがあるはずだ。東部諸州の視察が終わった後……多分2週間後といったところかな。」
「ふむ、そこまで狙っていたのか。わかった、ならば俺の方もそのつもりで備えるとしよう。」
オリビエの答えを聞いたミュラーは感心した後、静かな笑みを浮かべて言った。
「ああ、よろしく頼むよ。」
ミュラーの答えを聞いたオリビエは頷いた後、窓の外を見て何かに気付いた。
「ほう………」
「なんだ、どうした?」
「いやなに……月が出ていただけさ。それも見事な満月だ。」
そして2人は窓から夜空を見上げた。
「リベールの月もこれで見納めか………少々惜しい気もするがな。」
「フフ、君にもようやく雅趣のなんたるかがわかってきたようだね。まあ、せいぜい頑張ってまた見に来れるようにしよう。お互い、生きている内にね。」
「フッ、そうだ
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