外伝〜祝賀会の夜〜後篇
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でいた後、ヨシュアに振り返った。
「だから最後に、ヨシュアさんの困った顔を見てみたかったのかな。ふふっ……さっきのヨシュアさんの顔……今までで一番、素敵でした。」
「あ……えっと………クローゼもけっこう人が悪いよね。」
クローゼの言葉を聞いたヨシュアは戸惑った後、呆れた表情で言った。
「ふふ、こんなにはしゃいでしまったのは久しぶりです。」
ヨシュアの言葉を聞いたクローゼは微笑んだ後、ヨシュアに近づいて、ヨシュアに背を向けた状態で横に並んで尋ねた。
「それで……ヨシュアさん、何を悩んでいるんですか?」
「えっ……!?」
クローゼの言葉を聞いたヨシュアは驚いてクローゼを見た。
「ふふ……そのぐらいわかりますよ。私、勘は良い方ですし、さっきも………取材を受けている間もヨシュアさんのことはずっと見てたんですから。」
「……えっと。さすがにそれは照れるんだけど……」
「あ、あはは………」
ヨシュアの言葉を聞いたクローゼは苦笑した。そして静かな口調で言った。
「……ヨシュアさん、何か隠してますよね。また一人で何かしようとか考えてませんか?」
「………はあ、ホント鋭いなぁ………姉さんやレーヴェにも気づかれなかったのに…………………エステルも時々そうだけど……」
「ふふっ、女の子ですから。それにプリネさんも内心気付いていると思いますよ?ヨシュアさんのお姉さんなんですから。……さあ、観念して白状してください。」
溜息を吐いているヨシュアにクローゼは微笑んだ後、真剣な表情でヨシュアを見て言った。
「……悩みって言うほどのことじゃないんだけどね……僕は……そうだな、来月までにはリベールを離れようと思っているんだ。」
「えっ……!?ど、どうして……ですか?もう平和になったのに……」
「うん、平和になったからね。”結社”もリベールからは完全に手を引いたみたいだし、各地の復興も順調だ。……だから、旅に出ようと思うんだ。」
自分の答えを聞いて驚いているクローゼにヨシュアは静かな口調で答えた後、クローゼから視線を外して静かな口調で説明を続けた。
「僕は……今では自分のことを一人の人間として考えられる。もう壊れた人形じゃない。エステルが、みんながそう望んでくれたから……だけど、人間になってしまうと今度は心が痛むんだ。
僕はこれまでに目を覆いたくなるような罪をたくさん犯してきたから。」
「……あ………」
ヨシュアの話を聞いたクローゼはヨシュアの過去――”漆黒の牙”であったヨシュアの過去の話を思い出して声を上げた。
「……だから、その償いをするために。そして本当の意味で強くなるために。僕はこれから、大陸各地を……できれば姉さんが
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