外伝〜祝賀会の夜〜中篇
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を傾けようじゃないか。今宵はトコトンつき合わせてもらうよ。君の瞳が揺れるまで……ね。」
「……遠慮しておきます。」
シェラザードとオリビエの誘いにヨシュアは呆れた表情で答えた。
「なによう、こんな時くらい付き合いなさいよね。……あ、そうだ。あんたの正遊撃士祝いもついでにやってあげよっか。そーいや、あんたの分だけまだだったわよねー。」
「……あのシェラさん。その、ルシオラのことは……」
笑顔のシェラザードを見たヨシュアは考え込んだ後、言い辛そうな表情で尋ねたが
「ふふっ……ヨシュアったら、何おねーさんの心配しちゃってるのよ。あんたが気を揉むことじゃないわ。」
シェラザードは微笑みながら答えた。
「フッ、シェラ君の言う通りさ。みな、この事件を通じて様々な思いを抱いたことだろう。だが、今だけはせめて飲んで騒いで浮かれまくるとしようじゃないか!力の限り、精一杯ねっ!」
そしてシェラザードの言葉に頷くようにオリビエも高々と言った。
「は、はあ……」
「……あんたは今に限らず、浮かれ騒いでる気がするけど。でもまあ、そういう事ね。……それよりヨシュア、もう一人で勝手な行動を取るのはやめなさいよね。あんたのいない間のエステルときたら、ホント、見てらんなかったんだから。」
オリビエの言葉を聞いたヨシュアは戸惑い、シェラザードは呆れた表情で言った後、ヨシュアを見て静かな口調で言った。
「……はい。大丈夫です、もうあんなことをするつもりはありませんから。」
「……そ、なら良いわ。」
「ウフフ、従順な顔も良いよ、ヨシュア君。」
そしてヨシュアはかつてエステルと別離した場所で静かに外を見下ろしているカシウスに近づいた。
「……ヨシュアか。」
「父さん、出席してたんだ。通信では、忙しいからパスって言ってなかった?」
「ああ、忙しいとも。ライフラインの確保に復興物資の輸送……この国が平穏を取り戻すまで、まだしばらくはかかるだろうからな。」
ヨシュアに尋ねられたカシウスは疲れた表情で溜息を吐いて答えた。
「そういえば……エステルとミントとあちこち回ったけど、地域住民の不安を解消するために小さな村にも王国軍やメンフィル軍が駐屯していた。父さんとエステル達らしい指示だと思ったよ。」
「軍は軍で、できる事をやっているというだけのことだ。……あの2人の護衛部隊も今回の復興でも随分助けられた。………帝国や共和国の内政が不透明な上、王国軍の再編も棚上げ状態だが……まあ、たまには気を抜くのも必要なことだろう。ヨシュア、今日くらいは息抜きをしておけよ。」
「父さんこそ、少しは休みをとったらどうだい?母さんやエステル達も心配してたよ。」
「はっは、無用な心
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