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第一章
レプリカン
人類は減ってきていた。理由は簡単でどの国でも少子化が進んでいたのだ。
それは極めて深刻な状況にあり町で子供を見ることも減っていた。それはどの国でも同じで人類社会全体で少子化、減少の問題が議論されていた。
国連の場でも同じでだ。各国の代表達はこう話していた。
「このままでは人類が滅亡しますよ」
「ここまで減るとなると」
「少子化への対策はどうするべきか」
「どうしたらいいのでしょうか」
何度も何度も議論するがそれでもだ。答えは出なかった。どうしてもだ。
だがその中でだ。ある国の代表がこんなことを言った。
「人類の数を増やせばいいのでしたら」
「だからそれができないではないですか」
「誰も子供を作りません」
「その結果人口が減っているのではないですか」
「そうなっているのですよ」
「ですから」
どうすべきかとだ。その代表は言う。
「人を増やせばいいのです」
「ですからどうして増やすのですか?」
「一体どうするのですか?」
「どうすれば」
他の国の代表達は怪訝な顔になって彼に尋ねる。その問いにだ。
彼は落ち着いてだ。こう答えたのだった。
「ですから。子供を作る必要はないのです」
「?子供を作らなくてもいい」
「といいますと」
「人はすぐに増やすことができます」
その代表は余裕の笑みさえ浮かべてだ。彼等に答える。
「つまりです。クローンです」
「クローン?」
「クローンで人を増やすのですか」
「そうするのですか」
「はい、これでどうでしょうか」
彼は楽しげな笑みになった。今度は。
「あっという間に、です。人の数は増えます」
「確かに。クローンを使えばそうですね」
「子供を作るよりも迅速に数は増えます」
「記憶も転送すればいいですし」
記憶転送技術は既にあった。人の記憶に関する知識や技術も進歩していたのだ。
「ではすぐにそれなりの能力を持つ人がすぐに増えますね」
「本当に子供を作るよりも」
「それでは」
「これでどうでしょうか」
その国の代表は各国の代表達にあらためて言った。
「かなり楽に増えますよ」
「倫理的に問題があるのでは?」
彼の提案にだ。ある国の代表が難しい顔でこう反論してきた。
「それはやはり」
「倫理的にですか」
「神がそれをお許しになられるか」
その代表が言うのはこのことだった。
「それが問題ですが」
「神以前にです。今はです」
だが提案したその国の代表はこう彼に反論した。
「人が実際に減っているのです。それではです」
「最早悠長なことを言っている場合ではないというのですね」
「その通りです。ですから」
それも仕方ないというの
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