第14話『能力』
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
暁君が魔術部に正式に入部した。といっても、俺や部長が逃がさなかったというのが正しい。俺にとっては友達、部長にとっては部員、逃す理由はないのだ。
それから放課後は大体、俺と暁君と部長の3人で魔術室にいた。
特に話題もなくただただ駄弁り、俺が暁君とまともに話せるようになった頃、不意に部長が魔術部らしいことを訊いてきた。
「なぁ二人とも、どんな魔術を覚えたい?」
「「え?」」
不意な質問に、俺と暁君は部長の方を向く。
「だから魔術。何が良い?」
「えっと、話の意図が…」
とんとん拍子に話を進めようとする部長に、俺がストップを掛ける。ホントに意図が読めない。
「ん? あぁ、いや普通に」
「いや普通って…」
魔術の時点で普通ではないのだが、どうやら深い意味はない質問のようだ。
魔術か…。素質があると言われたから使えるんだろうけども、結局練習も何もしてなかったな…。
「魔術って例えば何ができるんすか?」
暁君がそんな質問を部長にする。すると部長はこう答えた。
「何ができるかは人次第だが、とりあえず何でもできるぞ」
部長ならそう言うと思ったが、ホントに言うとは…。
人次第っていうのが残念だが、俺でも色々できるようになるのかな?
「そんなアバウトじゃなくて具体的に…」
暁君がそう言った。
まぁ確かに“何でも”じゃわかんないよな。
「えっと…部活動紹介でやった空間移動があるだろ。あと他には身体増強、それに軽い属性魔法だって使えるぞ。魔法陣さえ有ればだけどな。それから──」
「ちょっと待ってください。属性って何ですか?」
淡々と語られていく言葉の中に俺は気になった点があり、訊き返した。
それを聞いた部長は語りを止め、説明を始めた。
「属性についてか?」
「はい」
属性、って聞くとやっぱ火とか水とか、そんなの想像しちゃうんだけどそうなのかな?
「火とか水とか、そんなやつ」
「おぉ…!」
思った通りの答えが返ってきて、俺は目をキラキラと輝かせる。まるでマンガの世界じゃないか!
「そうだ! この際君たちの属性を調べておくか!」
「調べる?」
部長が急に思い出したかのように唐突に言った。“属性を調べる”ってどういうことだろう?
「じゃあ説明してやろう!」
「例え話は無しでお願いします」
「え〜」
部長が説明すると言った途端、俺はそう忠告する。すると部長は不満そうな声を上げた。
もし例え話をされたら、俺の場合わかりやすくても時間が掛かってしまうのだ。だから申し
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ