第十話 弱さその七
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「それでも」
「いつもじゃないといいよ」
「そうだな、じゃあな」
「その時は二人で飲もうね」
「ソーセージとか買ってな」
肴にしてというのだ、こう二人で話した時は優花の気持ちは幾分か晴れていた。しかしそれでも普段はだった。
優花の気持ちはどうしても晴れなかった、その原因はもう言うまでもなかった。日々暗い状況だった。
それでだ、クラスの女子達もその優花を見て言うのだった。
「何か蓮見君ね」
「ちょっとおかしいね」
「最近どうにも」
「いつも暗くて」
「沈んだ顔しててね」
「元気がなくて」
「悩んでいるみたいね」
こう言うのだった、その優花を見て。
「何かあったのかしら」
「やっぱりね」
「それでああしてね」
「暗いのかしらね」
「そうなのかしら」
「聞こうにも」
女子のうちの一人が言った。
「聞けないわね」
「雰囲気的にね」
「近寄れない感じで」
「普段は話しやすいのに」
「今の蓮見君は」
「ちょっと以上に」
どうしてもというのだ、そしてだった。
彼女達も優花の異変に気付いていたが聞くに聞けず妙に思い気になるだけだった、だが龍馬は彼女達の声も聞いた。
そして男子達の間の話もだ、クラスで聞いたが彼等も同じことを言っていた。
「蓮見おかしくね?」
「最近な」
「ちょっとおかしいな」
「どうにもな」
こう話すのだった、彼等も。
「塞ぎ込んでる感じでな」
「一人でいることも多くて」
「何かな」
「おかしいな」
「何かあったのか?」
「そんな感じするな」
その優花を見て言うのだった。
「これまで明るかったのに」
「急に暗くなって」
「元気もなくてな」
「顔色も悪いな」
「あまり寝られてないんじゃないのか?」
こうした意見も出た。
「寝不足って感じしないか」
「ああ、目の下に隈とかあって」
「それも目立ってきたな」
「やっぱり何かあったな」
「そうなんだろうな」
「一体何があったんだ」
そこが疑問だというのだ。
「あいつに」
「あんまり落ち込むタイプじゃないしな」
「明るい系でな」
「そのあいつがああなるって」
「何かあったのかよ」
「どうなったか知ってるか?」
ここで彼等は龍馬に問うた、優花の一番の親友だからだ。
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