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第十話 宮仕えは大変なのです。
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言ったのは、ワルターメッツ統帥本部総長。長い白いひげは仙人を思わせる風貌であるが、その眼光は炯炯としている。

「・・・・・・・・」

 がっくりと首を垂れるシャフツベリー中将をよそに、軍事法廷は一人の証人を招いた。アルフレート・ミハイル・フォン・バウムガルデンである。彼もまた顔面蒼白であったが、一歩も引かぬという必死の気構えを全身に出していた。そのため、答弁は最初はややうわずったところはあったものの、帝国三長官相手に一歩も引かず、自分がすべての責任者なのだと繰り返し司令官を擁護する答弁を行った。

「繰り返しますが、私は戦場に置いて敵の計を察知できず・・・・・。いえ、そもそも経験もなく未熟な私が出過ぎた発言をしたことこそが、今回の敗因です。司令官を処罰するのではなく、どうかこの私を罰してください」

 青い顔をしてそう答弁したアルフレートに、三長官や参事官たちは意外そうにお互いの目を見やった。

「よし、卿は下がれ」

 マインホフ元帥はそう言うと、アルフレートを下がらせ、次にシュタインメッツを呼び寄せた。曲がりなりにもアルフレートの献策を司令官に伝えた張本人である。シャフツベリー中将同様に容赦のない尋問が行われたが、シュタインメッツは武人らしく堂々と意見を述べた。

「よし、卿は下がれ」

 マインホフ元帥は、シュタインメッツを下がらせ、ついでいったん休廷として、シャフツベリー中将を残し、他の2長官、参事官たちとともに別室に入った。

「さて、卿らはどう思う?」

マインホフ元帥の言葉に、ビリデルリング元帥は真っ先に司令官を極刑に処すべしとぶち上げた。

「若造の意見をうのみにし、若造に敗れ、多くの将兵と艦艇を失った罪は、エル・ファシル星域制圧と敵将を捕虜にした程度では到底償いきれない!!」

 というのが彼の持論で有り、これにうなずく参事官たちも多かった。

「儂は反対だの。今回の件はエル・ファシル星域の制圧と敵将捕虜という功と相殺にすべきだの。いや、相殺にしてもなお余りあるか。しからば死刑は出さぬが、二階級降格という処置にすればよかろう」

 ワルターメッツ統帥本部総長の言葉に、うなずく参事官も少なくなかった。

「それでは卿らは司令官のみの責任を問えば、良いと考えるか?」

 マインホフ元帥の意外な言葉に周囲の者は顔を見合わせた。

「というと?」
「すなわち、今回のことはあの幼年学校の従卒の言葉を司令官が信じたことに端を発している」
「うむ」
「仮にも軍属である幼年学校生徒ともあろうものが、軍の上層部の作戦決定に口を出すなど、あってよいものであろうか?あの者の適性を疑って叱るべきであろう」
「それは卿、バウムガルデン家が屈指の家柄ということもあろう。貴族の子弟は時として軍
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