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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第25話
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12月4日――――



休息日、郷を回りながら仲間達の様子を見ていたリィンはケーブルカーの駅にいるクレア大尉が気になり、クレア大尉に近づいた。



〜温泉郷ユミル〜



「クレア大尉?どうしてこちらに……」

「昨晩のうちに駅の通信設備を鉄道憲兵隊との連絡用に改修しました。各地に展開している隊員たちから情報を得ることで、危機を事前に回避することもできるはずです。あとは今日の内に郷への侵入ルートを一通り洗い出しておきたいところですね。」

「ありがとうございます、大尉。郷のみんなも安心できると思います。」

「ふふ、大したことでは。鉄道憲兵隊として同行した以上は私自身の役割を果たすのみです。それがきっと……宰相閣下への手向けになるでしょうから。」

リィンに感謝されたクレア大尉は謙遜した後静かな表情でオズボーン宰相の姿を思い浮かべた。



「(郷の防備……俺にも手伝える事があるかな?)大尉、俺にも手伝えることはありませんか?仮にも領主の息子として、何か力になりたいんです。」

「リィンさん……そうですね。もしよろしければ他の地方に向かう事ができる転移魔法陣が設置されてある場所、郷の外周、雪山の斜面への案内をお願いできませんか?実はユミルの守備にあたってひとつ、懸念の残るポイントがありまして。」

「ええ、それくらいならお安い御用です。」

クレア大尉の要請に頷いたリィンはまず転移魔法陣が設置されてある建物に案内した。



〜転移魔法陣の間〜



「これが話に聞く他の地方へ一瞬で行く事ができる転移魔法陣ですか……あの光を放っている魔法陣がそうなのですか?」

転移魔法陣の間に案内されたクレア大尉は真剣な表情で今も光を放っている魔法陣を見つめた。

「はい。転移魔法が発動している左の魔法陣がセントアーク市と繋がっている魔法陣で、今は発動していない右の魔法陣はロレントのメンフィル大使館と直接繋がっている転移魔法陣です。」

「……片方が消えているという事はもしかして、任意で転移魔法の発動の切り替えを行えるのですか?」

リィンの説明を聞いたクレア大尉は真剣な表情で考え込みながら尋ねた。



「ええ、何でも転移魔法陣にも種類があるそうでして。セントアークと繋がっている魔法陣は切り替えは不可能なのですが、メンフィル大使館と繋がっている転移魔法陣に関しては大使館側のみが切り替えをする事ができるんです。」

「なるほど………となるとセントアーク側からの侵入の恐れがありますね。」

「あ、その点に関しては大丈夫です。セントアークの転移魔法陣がある建物はメンフィル帝国軍が厳重に警備をしていると話に聞いた事があります。」

「そうですか……なら、そちらに関
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