3部分:第三章
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がら二人はその様なことを知る由もない。それどころか発言をさらにヒートアップさせてさえいた。
「彼等はですね」
「いつも私達を監視しています」
川口、洲崎の絶妙のコンビネーションであった。
「隙を見せたらすぐに迫り」
「何もなくともいつも家の周りにも潜んでいます」
「それは何故ですか?」
あまりにも熱く語る二人に対して司会者は戸惑いながらも真顔で問うた。
「その様にしてまで御二人を」
「決まっています」
川口はその司会者の問いに即答で返した。
「もうそれはわかっているのです」
「わかっていますか」
「私達は彼等についてよく知っています」
「その正体についても」
洲崎が正体について言及したのである。
「もうわかっているのです」
「何者かは」
「それではですね」
あまりにも健気な司会者の問い掛けであった。少なくともこの番組はもう彼の力量にかかっていた。ネットでもそれは絶賛されていた。
『この人凄いな』
『そうだな、必死に番組をやってるぞ』
『頑張れ』
最早他のゲストは問題ではなかった。二人と司会者のみが注目されていた。だが二人はそんなことは全く知らず尚も己の話を続けるのだった。
「CIAです」
「そしてFBIです」
洲崎の後に川口が続く。やはり絶妙のコンビネーションだ。いいか悪いかの問題では最早なかった。
「それが黒衣の男の正体なのです」
「つまり彼等はですね」
完全に決め付けたうえでの話が続けられていく。
「アメリカ軍、つまりアメリカ政府の国家機密であるUFO及び宇宙人の秘密を探られたくない為に」
「それを調べている人間を監視しているのです」
「FBIまでもですか」
「そうです」
ここで二人は大きな矛盾に気付いていなかった。FBIはあくまで『アメリカ連邦警察』なのだ。有名な組織であるがあくまでこうなのだ。
「弾圧に参加しています」
「統制に」
「何故なら」
彼等なりの根拠がまた話される。
「皆さん、FBIの初代長官を御存知でしょうか」
「彼を」
二人で真顔で語るのだった。
「ええと、確か」
これに応えて彼等の他のゲストが口を開く。実は今まで話すことができなかったのだ。なぜならずっと二人の独演会状態だったからである。
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