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転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1330話
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リットはない。
 完全にない訳じゃないが、メリットの方が多いだろう。
 シャドウミラーと自分達が友好関係にあるというのを示せるし、連合軍がネルガルの施設を攻撃しようとしても理不尽な対応は取られないで済む。
 ……まぁ、この世界の裏切り者というレッテルを貼られかねないが、それに関してはナデシコがニヴルヘイムやシロガネと一緒にこの宙域に転移してきた時点で今更だろう。

「そっちにとっても利益の方が多いと思うが?」
『そう、ですね。ええ、そう思います。ただ、もう少しこう……異世界間貿易についての件で色々と便宜を図って貰えれば』
「便宜、か。その辺はどうなんだ?」

 エザリアに発現を譲ると、すぐに頷きを返す。

「どのような便宜かというのにもよるでしょうね。例えば、異世界間貿易では基本的に禁じている兵器の輸出入に関して特例を設けて欲しいというのは無理だしね」
『いえいえ、勿論そんな大それた事は考えてませんとも。ただ、この世界……ナデシコ世界という名前になったんでしたか。そのナデシコ世界から異世界間貿易に参加する際にある程度のアドバンテージが貰えれば、と』
「具体的には?」
『クリムゾングループを始めとする、反ネルガル企業よりも優遇税制措置とか』
「……そうね。検討はしましょう。ネルガルがこれから連合軍や連合政府との間でどれだけ活躍したかによってはそのようなこともあるかもしれないわね。それに火星でプロスペクターと話をした時に、ホワイトスターに転移可能な人数を多少増やすという約束はしてるから、それも優遇措置と言えるんじゃない?」

 エザリアの口から出た言葉に、アカツキは嬉しそうな笑みを浮かべる。
 いや、勿論それが素直に感情を現している訳じゃないと思うんだが。

『色々と便宜を図って貰えるのであれば、こちらとしても橋渡し役を頑張る事が出来るというものです。……張り切って行動させて貰いますよ』
「そうして頂戴」

 こうして、お互いに色々と腹の中にはあるのだろうが、結果として無事に交渉は成立する。
 俺達の方が圧倒的に有利な交渉結果になったな。
 お互いの力関係を考えれば自然な事なのかもしれないが。
 それに、ネルガルにもかなりの利益が出ているのは確かだし。
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