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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第14話
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不都合も出てくるじゃろうが……儂ら市民を守る為じゃと言うのは重々承知しておるし、色々と便宜を図ってくれている領主の方達にそのくらいの事で意見を口にして、迷惑をかけるべきではないというのが儂らケルディックの市民達の総意じゃ。」

「そうですか……それを聞けて安心しました。」

「お兄様……」

「へえ?不満がありながらも領主に遠慮して何も言わないなんて、驚いたわ。……まあ、民達に気を使わせる程彼女達が善政を敷いているという証拠ね。」

そしてオットー元締めの話を聞いたリィンは安堵の表情をし、リィンの様子をセレーネは静かな表情で見つめ、セリーヌは目を丸くした後静かな表情で窓の外から見える領主の館に視線を向けた。

「ちなみに喧嘩沙汰とか起こった時はメンフィル兵達が収めているのか?」

「うむ、メンフィル兵達の手が回らない時には遊撃士達が駆け付けて収めてくれておるから、その件に関しても今の所は大きな問題は出ておらん。」

トヴァルの質問にオットー元締めは静かに頷いて説明を続けた。



「……あの、元締め。元締めや町の皆さんは日々数を増やしているエレボニア帝国領の難民についてどう思っているのですか?実際、彼らがこちらに避難してきている影響で、ようやく平和を取り戻したこのケルディックに再び様々な問題が起こっているとの事ですし。」

「マキアス……」

辛そうな表情でオットー元締めに質問するマキアスをリィンは心配そうな表情で見つめた。

「確かに彼らがいる事によって、様々な問題が起こっている事は事実じゃが……君達も知っての通り儂らも半年前まではエレボニア帝国民だった立場。このケルディックが今もクロイツェン州―――エレボニア帝国領ならば、儂らも彼らと同じ立場であり、苦しい生活を強いられていたじゃろう。じゃから内戦が続いている現在の状況でありながらも未だ平穏が保たれているこの地に避難してくる彼らの気持ちも理解しておるから、彼らの事を疎ましく思っておらんよ。」

「元締めさん………」

「…………ありがとうございます。」

オットー元締めの答えを聞いたセレーネは微笑み、マキアスは静かな表情で頭を下げた。



「そうだ元締め、何か手伝える事はありませんか?お世話になった町の皆さんのために少しでもお返しができれば。」

「ええ、ぜひ僕達にお手伝いさせてください。」

「できる限り、御力になりますわ。」

「ふむ、確かに手を借りたい事はあるが……では話だけでも聞いてもらってよいかね?」

リィン達の申し出を聞いたオットー元締めは考え込んだ後リィン達に依頼する事を決めた。

「ええ、ぜひ。」

そしてリィンはオットー元締めから依頼書を受け取り、内容を仲間達と共に確認した。




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