機動戦艦ナデシコ
1329話
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どれだけ大きくても所詮は一企業に過ぎないのよ。国と……それも連合政府のような巨大な組織に狙われれば、抗いようがないわ。それこそ、シャドウミラーと本格的に手を組んで対抗するのなら出来るかもしれないけど、まだシャドウミラーという存在をよく知らない状況で連合政府や連合軍と、シャドウミラー。どちらを選ぶかしら」
……何だか、俺よりもエザリアの方が余程凄い事を言っているような気がするんだが。
そんなエザリアの言葉に、俺の後ろを歩いているあやかが納得したように頷きを返す。
「そうですわね。ネルガルにとっては未知の存在である私達と手を組むかと言われれば、躊躇ってもおかしくはないかと。ですが、その未知というのは逆に得体の知れない迫力と見る事も出来ますわ。少し時間を置けば、そう遠くない内に私達と関係を結ぶというのがどれ程の利益になるのか理解するのでは?」
「あやかの言う通りでしょうね。実際、プロスペクターさんとかエリナさんも随分と乗り気だったようですし」
千鶴の言葉は間違いなく事実でもあった。
ネルガルにとって、シャドウミラーとの異世界間貿易というのは桁外れの利益を持たらす。
だからこそ、俺としては今回の連合軍や連合政府との仲介役を上手くこなすよう必死になるんじゃないかと思ってるんだが。
「ま、それもすぐに分かるだろ。いざとなったらネルガル以外の組織を探すという手段もあるんだし、本当に最後の手段としては木星蜥蜴の調査を俺達で行って、欲しい技術は独り占めって選択肢だってあるんだから。……そろそろだ」
視線の先にあるのは、一つの家。
ただし、この辺がネルガルが借りている区画であると考えれば、今までしていた会話をオモイカネ辺りを使って盗み聞きしている可能性は高い。
いや、それを知った上で今のような会話をしてたんだけどな。
俺達が手を組む相手は絶対にネルガルでなくてもいいというアピール。
第2候補としては、クリムゾングループ辺りが有力か。
あるいは、それこそ今俺が口にしたようにどことも手を組まないで地球側の技術は切り捨て、木星蜥蜴の生産プラントを探し出すか。
ただ、それだと片手落ちなんだよな。
出来ればやっぱり地球側の技術も入手しておきたい。
そんな風に考えながら、その家に到着してベルを押す。
ピーンポーン、ピーンポーン、という聞き慣れた音が響き、やがて中からはパタパタと誰かが走ってくる音が聞こえてくる。
そうして扉が開くと……
「何でプロスペクターなんだよ」
「おや、誰の事を想像していたのですかな?」
扉が開いた先にいたのは、眼鏡とチョビヒゲが特徴的なプロスペクターだった。
普通こういう時に姿を現すのって、エリナとかじゃないのか?
いやまぁ、単純に俺の予想というか、そう
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