3部分:第三章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初
かなかった。自分が先だったからだ。
「行って来いよ、二人でな」
「じゃあ。行きましょう」
「はい」
女の子は小百合の言葉に笑顔で頷く。小百合は席を立ち彼女の方に行ってその肩を抱いた。その時に夫の方を振り向いて言うのだった。
「御飯はラーメンでも作って食べて」
「ああ、わかったよ」
夫が頷くのを見るとすぐに家を出てしまった。残った恒久は暫くテーブルに一人座っていたがやがてキッチンの方に向かってそのラーメンを作りだした。
ラーメンができると丼には移さずそのまま食べた。その中で一人呟くのだった。
「お互い様ってやつだね、全く」
不思議とラーメンはラーメンの味がした。こうした場合はよく味がしないと言われているが今回は違った。どうにも狐につままれた感じもするし妙な気分だった。それでもとりあえずはラーメンは美味かった。その味だけは今はわかった。
浮気の後のラーメン 完
2007・9・21
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ