第122話
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も決意が固いと知った時……私は、ずっと秘めてきた想いをあの人に打ち明けてしまっていた。」
「!!!姉さんが……座長のことを……。……そう……だったんだ……」
ルシオラの話を聞いたシェラザードは信じられない表情をした後、頷いた。
「ふふ、親子ほども離れていたから想像できなかったでしょうね。そして……それはあの人にとっても同じだった。娘のように大切に思っているけど想いに応えることなど考えられない。一時の感情に流されず、相応しい相手を見つけるといい……。……そう、諭すように拒まれたわ。」
「………………………………」
「拒まれたこともショックだったけど、私はそれ以上に怖くなってしまった。私を惑わせないように……相応しい相手を見つけられるように。あの人が、本当の意味で私から離れていってしまう可能性が。」
「あ……」
「……そう悟った瞬間、私の奥底で何かが弾けていた。……離れていかないように……永遠に私のものにするために……。その囁きに従って……あの人をこの手にかけていた。」
「……ルシオラ……姉さん……」
ルシオラの真実を聞いたシェラザードは悲痛そうな表情でルシオラを見つめた。
「自分の中に潜んでいた闇に気付いたのはその時からよ。私は、その闇に導かれるように”身喰らう蛇”の誘いに応じて……いつの間にか……こんな所にまで流れてきてしまった。フフ、そろそろ潮時かもしれないわね。」
「え……」
ルシオラの言葉を聞いたシェラザードが驚いたその時、ルシオラはシェラザード達の方に身体を向けたまま、飛び降りた!
「姉さん、だめええっ!」
ルシオラが落ちる瞬間、シェラザードは鞭を振るって、ルシオラの片手に鞭を巻き付けた!
「くっ……」
しかし、重みに耐えられず、シェラザードも塔から落ちそうになった!
「ふふ……なかなか鞭さばきも上達したじゃない。最初の頃はあんなに不器用だったのにね。」
一方ルシオラは片手に鞭を巻き付けられた状態で感心していた。
「シェラ姉!」
そしてエステル達もシェラザードに急いで近寄った。
「エステル、ヨシュア……。少しの間でいいから……このままこの娘と話をさせて。」
「で、でも……!」
「ルシオラ……貴女は……」
「は、話なんかしてる場合じゃないでしょう!?引っ張り上げるから掴まってて!」
ルシオラの頼みにエステルは戸惑い、ヨシュアは静かに呟き、シェラザードは血相を変えて言った。
「ねえ、シェラザード……。あの人を手にかけた事は今でも後悔していないけれど……唯一、気がかりだったのが貴女の元を去ったことだった。貴女がどうしているか、それだけが私の心残りだった。でも、私がいなくても貴女はしっかりと成長
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