1部分:第一章
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でそう言葉を返した。
「何が何なのか」
「そうですか」
探偵は小百合があまりにも事態を把握できないでいるので覚悟を決めた。そうしてオブラートに包まずに正直に彼女に言うのだった。固い決意と共に。
「では言いますね」
「はい」
小百合も彼の言葉に頷く。深刻な顔の探偵に対してやはり彼女はのほほんとした顔をしていた。その表情がまるで騙し絵でひっくり返る表情の様に対象的だ。
「御主人の浮気相手は」
「浮気相手は」
「男子高校生です」
一言で済ませた。
「えっ!?」
「だからですね」
事情が掴めていない小百合にまた言う。
「男の子なのですよ」
「あの、それは一体」
小百合は目をさひばたかせてまた探偵に問うた。
「どういうことですか?主人があの、その」
「ですから。御主人は男の方と浮気をされているのです」
彼はまた小百合に述べた。
「おわかりでしょうか」
「ということはですね」
小百合もようやく事情がわかってきた。それまでにかなり時間がかかったが。
「主人は。ゲイですか」
「そういうことになります」
探偵は告げるのだった。医者のガンの宣告よりも深刻な顔で。
「私も見て驚きましたが」
「はあ」
小百合はまだ信じられなかった。浮気をしているとの覚悟はあったがそれがまさか男に対してとは。何と言っていいのかわからなかった。
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