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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第七十四話 第三次ティアマト会戦(その3)
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う。思い切って全軍で攻撃をかけるべきか? しかし手間取れば、長期戦になりかねない……。
「……これまでだな。全艦に命令、前面の敵を牽制しつつ後退せよ」
今のままでも十分に敵に損害を与えているだろう。敵の二個艦隊は当分の間、艦隊としての行動は難しいはずだ。全体で見れば三割程度の艦艇は失っている。此処が引き時だろう……。敵にも出来る奴がいるようだ、あの状態から戦局を互角に戻すとは。まだまだ油断は出来ない……。
■ 同盟軍宇宙艦隊総旗艦ラクシュミ ヤン・ウェンリー
敵が後退しつつある。どうやら生き延びたようだ。あそこで中央に攻撃をかけられたら防ぎきる自信は無かった。司令部もようやく空気が和らぎつつある。ドーソン提督は疲れたと言って自室に戻った。
司令長官として最初の会戦で全滅しかけたのだ。無理も無い、気持ちは判る。だが出来れば辞任してくれないだろうか? 提督がもう少し慎重ならこの敗戦は避けられたはずだ。今回の戦いで約二万隻近くを失った。第三、第九艦隊はほぼ五割の損傷率だ。全滅を免れたが完敗と言っていい。
それにしても帝国軍は手強い。馬鹿げた思いだが、戦うごとに強くなっている気がする。このままでは同盟はジリ貧になりかねない。どうしたものだろう、皇帝が死んでくれれば内乱が起きると思うのだが、余りにも不確定すぎる。当分死なないかもしれない……。
ユリアンの紅茶を飲みながら本でも読みたい気分だが、ハイネセンに戻ればシトレ本部長に呼び出されるだろう。その前に今後の帝国軍の行動と対策を考えておく必要が有る……。退役しようか、ふとそう思った。今回も給料以上の仕事をしたはずだ。そろそろ辞めてもいいかもしれない……。
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