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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
序章 帰郷〜失意の果てに〜 プロローグ
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。というか、精霊王達がエマ達を逃がしたそうだから、そんなに心配する事はないと思うけど。」
「なんだって……!?――馬鹿なことをいうな!そんなに経っている訳が……!」
セリーヌの指摘を聞いたリィンは声を上げた後信じられない表情でセリーヌを見つめた。
「ハア、だから言ってるじゃない。いい?初めての”同期”でアンタは消耗しきっていたの。それこそ、下手すれば命に関わるくらいにね。」
「なっ…………」
「それを、たかがひと月程度で歩けるまでに回復できたのは彼―――”灰の騎神”とアンタが契約している”魔王”達による”精気”を分け与えていたお蔭。”灰の騎神”に到っては僅かに残っていた
霊力
(
マナ
)
を全部アンタの回復に充てたのよ。ちなみにアタシも付き合ってあげたんだからね?まあ、”魔王”達による精気の供給は一回見た後は付き合うのは遠慮させてもらったけどね。あいつらにも言ったけどお礼を言われるならまだしも、恨まれる筋合いはないっての。」
「…………そんな…………(……あれから、1ヵ月だって?それじゃあトリスタは……士官学院のみんなは一体…………)」
セリーヌの説明を聞いたリィンが辛そうな表情で目を閉じたその時
「お兄……様……?」
「え………………」
峡谷の頂上から中腹まで往復でランニングをして自分自身を鍛えていたセレーネがリィンを見つめて呆けていた。
「お兄様っ!ようやく目覚めたんですね……!本当によかった……!」
「セレーネ……!よかった、無事で…………でも、どうしてあの時アリサ達と一緒に残ったセレーネが…………」
セレーネに抱きしめられたリィンはセレーネを抱き返した後戸惑いの表情でセレーネを見つめ
「はい……!あの後、レン姫達やベルフェゴールさん達が現れてクロウさんが操る”蒼の騎神”相手に善戦した後、リザイラさんがアリサさん達を逃がして、ベルフェゴールさんは私をお兄様の元まで連れていってくれたんです……!」
「え……………い、今の話は本当か、ベルフェゴール、リザイラ!?」
セレーネの話を聞いて呆けた後真剣な表情でセレーネと共にいるベルフェゴールとリザイラを見つめた。
「うふふ、”善戦”じゃなくて”勝利”したんだけどね♪」
「あの場にいたご主人様の仲間の方達については私の精霊魔術であの場から脱出させましたから、あの時点では全員無事なのは確かです。まあ、あれから既に1ヵ月も経っていますからその後どうなっているかまではわかりませんが…………」
「そう………か…………それでも……それでもみんなはあの時、あの場から全員無事で脱出できたのか……!よかった……!――――ありがとう、ベルフェゴール、リザイラ……!本当にありがとう……!」
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