九話、全ては1話に物語は収束する。NEW
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オーフィスは微かに落胆の表情を見せた。
「デクタのその力は、確かに強大」
「だけどそれは―――悪魔だけにしか効かない力」
「所詮聖なる力でしかない。それだけじゃグレードレッドを倒すことは無理」
オーフィスは、所詮は聖なる力、とまとめる。
最後に、とオーフィスは既に興味が失せた対象であるデクタに声を掛ける。
「我、帰る」
唐突のその言葉に、デクタは沈黙する。
沈黙する。
……沈黙する。
そして―――思った。
いや、こいつまじで何しに来たん?w
てかいきなりこいつ喋ってきてクソワロタw。
え、何この展開。初見でそんな事言われても笑うしかない。
てかさっきの言葉何なんのさ……。
『別に警戒しなくていい』―――ってwおまw
あんたがいるだけでもう……ね。人間界で言えば、あんた歩く核爆弾だから。いや、もっと酷いかもしれない。そんな奴を警戒しない訳ないです。
しかもこの幼女、いきなり帰るとかほざくし、俺この幼女が何を思ってその「我、帰る」という思考に至ったのかさっぱりなんですが……。
強者特有の暇つぶしとか、気まぐれとかやめてよね。マジで迷惑この上ないからさ。
『ククク、余に恐れおののいたか』
「いや、違うよ。期待されて失望されただけだからね」
『わたしくしそういうの結構好物なんですよねー』
「あっハイ」
オーフィスは不思議そうにこちらを見る。
そうだろう。そうになるに決まっている。
俺と聖剣の会話何てものを、第3者から見れば、ただの独り言なのだから。でも正直なところオーフィスなら聞こえるのではないか、と思っていた。根拠はない。
「ん、じゃまた」
そう言ってオーフィスは帰ろうとする。
俺はそれを呆然と見ることしかできない。
逆に引き止めて、どうする。えー、本当にどうしよ。
そうこう思考しているうちにオーフィスは異空間の向こうへと行くわけで。
「ちょっと待てよッ!」
俺は思わず叫ぶ。
だが、間に合いはしない。既にオーフィスは異空間へと消え去っていた。
え―――これどうやって処理するの?
数分後、呆然と立ち尽くしながら、「最初から本部に連絡すれば良かったテヘペロ」、と今更過ぎることを独り寂しく呟いた。シュッと5000%形態からなる女騎士みたいな姿から、元の俺の姿に戻し、入れてたはずの通信用魔法陣のルーンを、ポケットからまさぐる。
「―――それがお前の新たな力か………素晴らしいものだな」
「ま た お ま え か」
おれは頭上にいたヴァーリを見上げる。いつ間にいたねん。
「フッ、そう冷たくなるな。………だが、気になるな。さっきの力は変身系か?
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