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どうやら俺は主人公を殺したらしい
九話、全ては1話に物語は収束する。NEW
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、魔法陣に流れる魔力の流れを自身の魔力で逆流させたのだ。
 それも膨大な魔力で押し返したのだろう。

「―――今すぐ戻るつもりはない。だから少し待って欲しい」

 何故今更、抵抗したんだ。
 とはいえ、この展開は想定はしていた。

「くっ――――ぅぅおおおおおおッ!! アスカロンッ!!」
『はひぃぃぃぃ!』

 シュワンと聖剣アスカロンが手元に現れる。若干濡れてるけどそんなこたぁどうでもいい。これで何とか。

「―――無理。貴方じゃ我に勝てない」

 耳元でオーフィスの声が響き渡る。ひぃぃぃぃ、正直怖いぃぃぃぃ。もうオーフィスと戦うとか常に死と瀬戸際。まじぱねぇす。

「―――っちぃぃぃぃぃぃ」

 聖剣に間髪入れずに因子を織り交ぜ、技を聖剣に乗せる。

『断ち切れ―――轟剣』

 命名中二聖剣。言ったのも中二聖剣。
 天閃の聖剣は、膨大な魔力が剣を覆い、巨躯な大剣へと形が擬態する。その聖剣を引き連れて、俺は加速する。その速さは風を置き去りし、背後にいたオーフィスへと振り向くのと同時にそれごと大剣で薙ぎ払う。

 刹那、そのデクタの一連の動作は、オーフィスの目に止まることなく、オーフィスの目でさえ欺くその神速は、彼女の身体に一つの斬閃を残す。

「ぐっ、やったか!!!」
『それ我のセリフ!』
「別に警戒しなくていい。我は貴方と話に来ただけだから」
「………」
「……貴方のその力、とても興味深い」

 オーフィスはデクタを置き去りにして、淡々と言う。

「我は貴方の事をアザゼルから聞いている」
「デクタの力は見させてもらった」
「アザゼルはこと細かく言わなかったけど、我には隠せない」
「その力……聖剣に流れているその魔力――――悪魔だけを消滅しうるその力はこの世界のパワーバランスをいずれ崩す」
「アザゼルが隠すのも我にも分かった。冥界のものはまだ気づいていない。でも、天界は知ってしまった」
「悪魔を―――冥界を文字通り滅ぼすことができる貴方を」

 オーフィスの言う通り、デクタ・テインの力、いや、特典の力はで規格外の代物であった。
 本来『天閃の聖剣』というのは、身体強化によって、絶大なスピードを手に入れる―――それが主体である。
 それもデクタの特典であるのだが、本質はそこではない。

 “因子”―――聖剣を担うにあたって必要必須なもの。
 本命はそれになる神聖力だ。神聖力は、悪魔や、闇に属するものが天敵と言わざる負えないある意味この世のルールとも言える。

 その神聖力があまりにも―――突拍子もないくらい高すぎるのだ。
 だから強い。もう悪魔絶対殺すマンというほど。

 だが―――

「―――だけどそれだけ。それだけじゃ我の目的にはたどり着けない」
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