九話、全ては1話に物語は収束する。NEW
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焼刃程度、だと。
つまり、この結界はオーフィスを捉えるためだけに作られたものであって、誰も捉えることができるとは誰も言ってない。というより、まだ完成もしていないし、試作でしかない。つまり今からやるのは、その試作のための実験である。
故にこれは欠陥品だった。
だからもう一つの技を仕込んでいた。
それは転移魔法だ。
場所はどこでもいいから、ここから遠方先まで飛ばせるように設定した魔法だ。
あ、これもアザゼル産です。
オーフィスを捉えるためだけに作られた結界で、拘束をし、その間に何処かへ転移させる。
と、ここまで俺が考えていた作戦を忠実に再現出来るていると言える。
『あれ? これ勝ち確じゃね? 行けるんじゃね?』
中二もそう言う。若干というか、キャラがおかしくなってるけどさ。
だがしがぁしっ!
飛ばすまでが作戦のうちであって最終目的である。変なヘマはしないぜ!変なフラグは建てないぜ!
「飛べよオラぁぁぁッ!!」
喝を入れる叫び声の中、俺の光の魔力を動力源として発動する転移魔法は煌めきと共に、発動する。
オーフィスの足下に突如魔法陣が出現し、そこに俺は一点集中で、光の魔力を全力で注ぎ込む。
『フゥゥゥゥハッハッハッ!! 無限と恐れられたお前もこのザマとは情けないなァッ!! 』
「お、おう……」
『ククク……何を焦っている。このまま奴を転移させれば、我々の勝ちだ。圧巻だ! 圧勝なのだ! ククク、それでまたひとつ我に異名が増えるな。
ヒーローインタビューがあるかもしれん。シミュレーションでも一応しとくか』
「あ、うんそうだね」
本当にこいつ面倒くせーな。
『否、それはこの場を乗り切ってから、我々の勝利の祝勝会を開こうではないか』
アホ毛を無視し、ちょっと思考する。
このままだとうまく行き過ぎている。
だってオーフィスが無抵抗すぎるからである。最初のビーム砲こそは無効化されたものの、それ以降はずっと傍観しているだけ。
何故だ、なんて問う気はない。
もしかしたら結界の効果が効いてるのかもしれない―――という話ならば、好都合。
どのみち、そうでなくとも、自ら隙をつくるのならば、それも好都合。
手加減なんてしない。全身全霊で、作業に取り掛かる。
だが、オーフィスという質量を飛ばすのだ。それなりの魔力という対価が必要になる。
虚無感に耐えながらも、俺は転移魔法を―――発動―――できなかった。
パリン。
結晶が割る音を鳴らし、結界の何もかもが瓦解する。
防壁魔法も。オーフィス専用に作られた結界も。転移魔法も。
1振りだ。
オーフィスの1振りだけでぶち壊した。きっとオーフィスは結界
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