第32話 プチ女子会
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。しょうがないかしら。いつ解除されるか訊いてくるわね」
「あ、はい!ありがとうございますわ」
御坂はナースステーションに向けて、駆け足で向かった。
ん!?
これって、あたしが全面的にあの鬼軍曹の説教を受けないといけないパターンかしら
......湾内さんの恋路の為
こうした犠牲の上に成り立つものなのよ
人は、恐怖を目の前にすると妙に客観的になるものである。
******
チャクラは、ほぼ空に近い状態だ。
サソリは自分の身体の感覚が遠くなっていくのを感じた。
生涯の経験では二回目だ。
あの時、ババアと殺し合った時
核を貫かれて、死を間近に感じた瞬間に酷似していた。
「?」
気が付けば、木々が生い茂る森の中に立っていた。
目の前には、川幅が少しだけ広い川が流れていた。
川を覗くと大量の平べったい石が積み重なっている。
「気持ち上に投げる感じ。コツとしては」
「!?」
サソリの背後から声が聴こえて振り返った。
おかっぱ頭をした子供の影が得意げに胸を張っていた。
子供は、足元に転がっている乾いた石を拾うと小川の先へ石を投げつける。
石は水面を四回跳ねて向こう岸に渡ると、一回小さく跳ねて多数の石ころに同化した。
子供は、ニコリと笑うとサソリに石を渡した。
「オレとお前は、この時点では水切りのライバルだ」
「何言ってんだお前?」
サソリは、興味無さげに渡された石を川へ放り投げると、子供の影から離れるように森の中へ行こうとするが。
「ご......ごめん......つまらないな.....,川に投げられるのを覚悟しようぞ......さあ、投げろ.......」
急激に落ち込みだした、子供が体育座りをしてブツブツとネガティヴな事を口に出す。
「......」
サソリは、背中を向けたままその場で歩みを止めた。
「あの石は......オレがやっとの思いで探し当てた大切な石なのに......やっぱり他人にはその価値が......お前は冷たい奴ぞ......」
ドンドン落ち込んでいく子供の影にサソリは、舌打ちしながら子供の方を見た。
「何だよ。投げた石を拾ってくれば良いんだろ!?分かったから黙ってろ」
サソリは川の中へと入り、積み重なった石ころの中から子供の影が言っている石を探す。
ったく、面倒なことになったな
こんなにたくさんの石がある中で、少ししか触っていない子供の石を探すのは、流石のサソリでも至難の技だった。
適当に拾って渡してしまうか......
見分けが付かないから、手が触れた石を拾って持ち上げた。
もうこれでいいや
さっさと渡してガキとおさらばだ
川から上がり、まだ落ち込んでいる子供に適当に選んだ石ころを目の前に置いた。
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