第32話 プチ女子会
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夫よ。サソリも一緒のはずだから
サソリさんですか?
そう、アイツが居ればなんとかなるわ
でも流石に病み上がりだから、助けに行かないとマズイかもね
サソリさんって一体?
手間の掛かる弟かな
でも、いざという時は頼れる兄みたいな存在かしらね
「あの御坂さんの一言でパニックにならずに、冷静に行動できましたわ」
頼れる兄
湾内はその言葉に共感した。
助けに来て、一目サソリの姿を見ただけで安心感が満たされたことを思い出す。
「サソリさんがお兄さん。ふふ、そう考えると楽しいですわ」
「そうですわね。わたくしには兄弟が居ませんから。居たとしたらあんな感じなのでしょうね」
「明日、会うのが楽しみですわ」
二人はいつも以上に幸せに感じた睡眠に身を委ねた。
明日、お見舞いに行けば会える。
そんな事を考え、夢を見ていた。
翌日、湾内と泡浮はサソリの病室へと向かい、お礼の料理を持って扉を開けようとするが。
「えっ!?ええー」
お見舞いに来た湾内がサソリの病室前で声を上げてしまった。
扉の前には『面会謝絶!』と明朝体で書かれた紙が一枚貼ってあった。
「そ、そんな......」
多少強引でも中に入りたい。
湾内は扉に手を掛けて入ろうとするが、鍵が掛かっているらしくビクともしない。
この先にサソリさんがいるのは分かっているのに
それなのに入ることが出来ないなんて
「ひ、酷いですわ......」
「ま、まだ眠っているかもしれませんわ。日を改めて伺いましょう」
扉の前で項垂れる湾内に泡浮が少し元気を付けさせるように顔を覗きながら言った。
「うう、今日お会いできると思って来ましたのに」
それでも未練がましく、扉の前から動かない泡浮もどうして良いか分からずに、湾内が持ってきたお礼の料理が入った紙袋の中身を確認した。
サソリさんの大好物が入っていると言っていましたが、ほんのりチーズの香りがしますわ
「あれ!?湾内さん、泡浮さん?」
サソリの病室で二人で居る所に御坂が颯爽と歩いてきた。
「大丈夫だった?昨日あんなことがあったけど」
御坂が心配そうに訊くと、湾内は目から涙をポロポロ流し出した。
「大丈夫ではありませんわ......」
「えっ!?やっぱりあのバカな不良の事が頭から」
「サソリさんに......会えないんですわ」
顔を押さえている湾内に変わり泡浮が声を出した。
「その御坂さん、アレを」
「?」
御坂が湾内が指差した方角を見た。
一枚の紙に注意が向く。
「ん?!あちゃー、とうとう来たって感じね」
御坂が頭を掻きながら、困ったように苦笑いをした。
「どういうことですの?」
「んー、サソリってかれこれ三回くらい病院を抜け出していたからね
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