暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九話 エル・ファシルの英雄は誕生する・・・のです???
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
変更すると、太陽風の吹き荒れる地点へと向かった。この時のために、偵察艦隊を派遣して太陽風の性質、風向きなどを徹底調査させている。抜かりはない。

 だが、1時間待っても、ヤンの船団が出てくる気配はない。おかしい。どういうことだ?いらだった俺が、足を踏みかえる。だが、それ以上にイライラしているのは司令官だった。まずい、これでは成功するどころか、逆にこちらが叱責される。俺が不安に思いだしたその時だ。ついに待ちに待った声が飛び込んできた。

「閣下!未確認船団接近中!識別信号の呼びかけに応答なし!全速航行で来ます!艦影モニタリングします!」

 映し出されたのは明らかに非武装の民間船である。俺はほっとした。よし、これならいける。
司令官もそう思ったらしく、すぐに号令をかけた。

「ただちに進路をふさぐようにして展開!!あの船団を止めろ!!」

 2000隻ほどの艦艇が動き出し、民間船に向けて停止指令を発する。他の船は退路を断つべく包囲体制だ。
 やった。これでヤン・ウェンリーが英雄として浮上することはない。俺の特進もあるかもしれない。声に応じて停止した民間船に帝国軍の駆逐艦たちが近づいていく。拿捕するためにだ。

 その時だった。近づいた駆逐艦が接舷しようとした刹那、大爆発が起こった。それも一か所ではなく、何か所、何十か所からだ!!!どういうことだ!!!!

「どうした!?」
「爆発です!!民間船が爆発を!!」
「どういうことだ?とにかく、後退だ、後退させろ!!」

 参謀たちが必死に叫ぶが、いったん殺到した艦隊を戻させるのは至難の業だ。しかもそれが混乱の極みに達している今は特に。

「これは!?まさか!?」

 シュタインメッツが叫んでいる。

「どういうことだ?シュタインメッツ」
「アルフレート様。あれは囮です!!民間船を爆装させ、我々が近づいたときに一斉に爆沈させて、混乱にたたき沈めるつもりだったのです!!」
「なに!?」

 バカな、バカな、バカな!?どうしてこうなるのだ?!こんなことは原作にはなかった!!ヤンは悠々と太陽風に乗って逃亡をする。隕石群に仮装して。それを押さえつけるだけで済むんじゃなかったのか!!どういうことだ?!
 俺が唖然として声が出ない間にも、味方の混乱は広がっていく。すさまじいものだった。民間船の爆発に巻き込まれるもの。それをさけようと回頭し、後続の艦に衝突して爆沈するもの、いたるところで同じような惨劇が起こっていた。

「・・・・・・」

 司令官自身も唖然としている。まずい、これはまずい。いくら司令官が命令を下したと言っても、実際に献策したのは俺だからだ。俺が、彼らを殺した・・・・。
 そう思うと、急に吐き気がこみ上げてきた。顔からざあっと血の気が引いていくの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ