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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九話 エル・ファシルの英雄は誕生する・・・のです???
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を同行させた。二人に面識を持たせるためよ。
久々に見るラインハルトとキルヒアイスは随分成長していたわ。背も高くなって、あと数年すれば前線勤務ね。心なしか顔つきも大人びてきたみたい。フィオーナとティアナも二人と打ち解けていたようで良かったわ。まぁ、本当は幼年時代に幼馴染という立ち位置が理想だったのだけれど、さすがにそううまくはいかないわね。フィオーナとティアナがロイエンタール、ミッターマイヤーの双璧のようなスタンスでラインハルトとキルヒアイスに協力してくれればいうことはないわね。
さて、もう少しであのエル・ファシル星域での戦い、ヤン・ウェンリーが英雄としての第一歩を踏み出す戦いが始まるわ。今回については、アレーナと話し合った結果、手を出さないことに決めました。二人とも出自が出自だし、軍司令部上層部に圧力をかけられるような立場じゃないもの。アレーナはできるかもしれないけれど、それをやると怪しまれそうなので、あえて手を出さないことにしたわ。アレーナは一応ジャブ程度の助言ははなったらしいけれど。
むろん、転生者たちは動くでしょう。彼らにしてみれば、ここでヤン・ウェンリーをつぶしておけば、後々自由惑星同盟を攻略しやすくなるでしょうから。それに自分の先見の明をほこることで、自分の勢力拡大に貢献しようという狙いもあるでしょう。
でも、私たちはそれを逆に利用する予定でいるわ。常に5年、そして10年先を読んでおくことがラインハルトとキルヒアイスの覇道成就につながるのよ。
帝国暦479年5月
自由惑星同盟外縁領エル・ファシル星系――
ここに帝国軍の小部隊1000隻が侵入し、それを迎え撃つ同盟軍艦隊1000隻が激闘を交えていた。双方ともに2割ほどの損害を出し、やがて帝国軍が引いていく。何十、何百とある戦闘の中の日常的光景の一つかと思われた。
自由惑星同盟艦隊旗艦艦橋
■ヤン・ウェンリー
やれやれ、こんなところに来るなんて、子供の頃は思いもしなかったな。6年前、父さんが死ななければ、僕は今頃歴史研究の道を目指していたに違いないし。ま、もっとも父さんの言うような金儲けにつながったとは思えないけれど。
「こ、後方より敵影!!て、帝国軍回頭して追尾してきます!!」
なんだって?戦闘は終わったはずじゃなかったのか。
「なに!?」
リンチ少将が顔を青くしている。意外だった。戦闘は終わったと思っていたら、見せかけだったのか。帝国軍もやるものだな。でも感心している場合じゃないか。
「て、敵の後方に大艦隊出現!!総数、は、8000隻!!」
艦橋が一瞬凍り付いたように見えた。誰もが動かない、いや、動けないでいる。8000隻だって?敵はえらく大兵力を投入してきたな。妙だな。この艦隊を叩き潰すにしては戦力が多すぎる
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