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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第189話
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とクロウを呼び止めた。



「ありがとう――――本当にお疲れ様だったな。」

「あはは……ステージのこと?」

「なんだなんだ。どういう風の吹き回しだ?」

リィンにお礼を言われたエリオットは苦笑し、クロウは目を丸くして尋ねた。



「いや、今回のステージは2人とアムドシアスさんの努力があってこそだからな。改めてお礼を言いたくなったんだ。アムドシアスさんにも後で改めてお礼を言うつもりだ。」

「か〜、ムズ痒いこと言いだすんじゃねーっての。」

「あはは……何よりもみんなの頑張りがあったからだよ。リィンにだって色々と相談に乗ってもらったしね。それに……お礼を言うのは僕の方かな。」

「え……」

エリオットの口から出た予想外の言葉を聞いたリィンは目を丸くしてエリオットを見つめた。



「みんなのおかげで音楽の大切さを改めて認識できた……単に自分の演奏だけじゃなくて……みんなで共に高め合い、良くしていくとの大切さを。……だからありがとう。この学院に来て本当に良かった。」

「エリオット……」

「ったく、恥ずかしい台詞を揃って連発しやがって……」

「おお、エリオット!こっちだぞ〜!」

エリオットの言葉にクロウが呆れていると聞き覚えのある男性の大声が聞こえて来た。



「も、もう……あんな大声で。ごめん、先に行くね。」

「ああ、また後でな。」

そしてエリオットはクレイグ中将とフィオナの元へと走って向かった。



「はは……ここまで盛り上がったからにはまた来年もやりたいな。2年に上がったら”Z組”がどうなるかは聞いてないけど……」

「……………………」

「クロウ?」

自分の話を目を閉じて黙って聞いていたクロウに気付いたリィンは不思議そうな表情でクロウを見つめた。



「ん、ああ……基本、クラス分けは1年からの持ち上がりだが……”Z組”はわからんなぁ。何せとことん規格外だからよ。」

「それもそうか……それに……来年はクロウもいなくなってるんだよな。」

クロウが来年卒業する事を思い出したリィンは複雑そうな表情をした。

「無事、卒業できたらな。”Z組”に所属するのも予定通りなら今月いっぱい……お前らと同じクラスなのもそろそろ終わりってことだ。」

「そういえば……そういう話だったな。……しかしそうか……だったら今月末くらいには送別会をやりたい所だな。」

「ああ、いらんいらん。どうせこれからも学院内でしょっちゅう顔を合わせんだろ。寮は一応引き上げるつもりだがシャロンんさんのメシ目当てに週一でたかりに行くつもりだしな。

リィンの提案を聞いたクロウは呆れた表情で答えた後静かな笑みを浮かべた。


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