宇宙編
月決戦編
第35話 宇宙の念3
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「アイラ…大丈夫か??」
ギラ・ドーガを後ろに付けた、青いパイロットスーツが近づいてくる。
「大尉…」
「俺のドライセンはもうだめだ…このままネオ・ジオンの部隊と一緒に…」
「どうして…」
「は?」
「どうして彼女は…どうして??通じ合えたのに、ニュータイプは分け隔てなく分かり合えるなんて嘘??戦いの道具に利用して…その結果がっ??」
「すまない…」
グランは、枯れた声でそういい、アイラを包んだ。
「っ!大尉?…」
「戦いを、こんな哀しみを押し付けた俺たちを許してくれ…すまない…」
「……」
流れる時さえも忘れ心を交わした2人…当事者は短い時間なれど、ニュータイプとして理解し合う間近であった。
しかし、哀しい運命と刻により、分かり合うことは叶わなかった…。
哀しみの銀河を越えて、尚も戦火は収まらない…。
「そろそろ…ラストセッションといくぜ…」
隻腕のデルタガンダム…渾身の念で機体を操るフラン。
「もう迷わない…今までの事が、無駄でなかったということの証の為に??」
フーバーのバウ…緑の機体色を煌めかせ、銀河の海を飛ぶ。
「もってくれよ…デルタ??」
操縦桿を握りしめ、デブリから飛び出すフラン。
「??」
一瞬の不意をつかれたフーバー。
「ナイヘーメン士官学校首席卒業の技量、見せてやるよ??」
「金色…??」
バウのシールドから、連装の拡散ビーム砲が発射され、辺りを薄く照らす。
ジェネレーター直結のこのシールドビーム砲は、バウの兵装の中でも屈指の威力を誇る。
高出力の光線を浴びつつ、機体を強引に近づけていくフラン。
「怯まないのか??これを喰らって??」
金色に輝く装甲がビームを弾きつつ、ゆっくり溶解していく。
「これくらいなら…耐えるぜェ??」
機体を射角から離脱させ、バウをロックオンする金色の不死鳥。
焼け爛れた金色の塗装が、さながら火を纏ったフェニックスのような、はたまた皮膚を溶かした化物のような威圧と存在感を放っている。
デルタの首と肩の間、少し後ろに引いたところから、小型のガトリングが伸びる。
「食らって墜ちろ??」
「ビームガトリング??」
後ろに下がりつつ、光弾の雨から、シールドで機体を護るバウ。
「パージ??」
爆散するシールドに乗じて、間を取ったフーバー。
「逃がすかよぉ??」
さらなる追い打ちを仕掛ける敵機を見据え、火器管制コンソールに光る、最後の増加ポッドをタッチする。
「最後に残った…切り札??」
ガスの尾を引いて腰部から射出されたミサイルは、デルタガンダムを目掛け真っ直ぐ飛んでいく。
「撃ち落とす??」
ビームの弾幕に晒されたミサイルが爆裂し、周囲に異様な煌めきを撒き散らす。
「まさか…これは??撹乱幕??」
ビームを弾く粒子が宙域を
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