宇宙編
月決戦編
第35話 宇宙の念3
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漂い、金色の機体色を反射し眩く輝く。
「しまった!奴は…??」
モニターを見回し、反応の先を撃ち抜く。
「?軽い?爆発が…」
その刹那、下半身を捨て、アタッカーのみとなったバウのマニュピレーターに握りしめられたサーベルが振り下ろされた。
「後ろから??」
デルタの肩を上から貫通し、踵を返したガンダムの顔面にパンチを入れる。
「どうだ…金色??」
弾き飛ばされたデルタ。
コックピットを揺さぶる衝撃。
サーベルが左腕と左脚のスカートアーマーを抉り飛ばし、もはや継戦能力は消えた機体を、なんとか制御する。
「死ぬ……か…」
だめ、あなたはまだっ!
死んではいけない…
待ってる人がいる…
「待ってる人…」
「しぶとい奴が??」
「そうだ、あいつがいるんだ…死ね、ねぇよ」
急制動をかけた機体は、一気に数ブロックもの距離を置いてバウを置き去りにした。
「くそっ……なんだったんだ…あの宙流、宇宙を流れる念の様な…」
奇妙な気分を心に感じつつも、上半身のみとなり、変形したバウ・アタッカーの操縦桿を握る。
「新型のギラ・ドーガなら、恐らく受信してくれる…はずだな」
通信コンソールを確認し、信号弾をタッチする。
「届いてくれ!」
バウのバックパックから黄緑の閃光弾が高く打ち上げられ、周囲の宙域を照らす。
「これで…一旦母艦に帰投するか…」
ふと前のデブリを見て、そこに叩きつけられ、四肢を失ったジムIIIが目に入る。
「ジムか…」
パイロットの亡骸はあの中にあるのだろうか…
いや、たぶんコックピットに突き刺さったヒートホークに潰されて…
マルロと同じように。
<i5451|33811>
「くっ…」
一際大きなそのデブリに向けて、弔いに最後のガトリングを放った。
人の思念たる宙流が疾る月面宙域。
戦いに、ほんのすこしの終着の光が射し始めていた。
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