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逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 14
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ハウィス達を護れる……?)
 「ミートリッテさん」
 「へ……はい!?」
 急に何を思ったのか。椅子の横に回ったアーレストが、固く握った彼女の手を取り、背中を軽く支えてゆっくり立たせた。そのまま二人揃って廊下へ出る。
 「よろしければ、ちょっとだけ散歩に付き合っていただけませんか?」
 「散歩?」
 「ええ。私は着任して日が浅いでしょう? そろそろネアウィック村を見てみたくて。貴女に案内役をお願いできればと」
 (……ああ、そうか。着任早々捕り物騒動に巻き込まれてるんだし、一人で見て回る余裕なんか無いんだ。私も、指輪が消えた今、此処に居ても仕方ないし)
 「別に、良いですけど」
 村をよく探れば手掛かりくらい転がってるかも。
 微かな希望を持って頷くと、アーレストは
 「ありがとうございます」
 今朝よりは血色の良い、柔らかな笑顔を見せた。


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