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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第186話
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るリィンの様子をエリスは驚きの表情で見つめ、エリゼは微笑んでいた。
「ぐっ、だから何で君は妹のことになるとそんなに問答無用な感じになるんだ……」
「フフ、仲睦まじい兄妹の交流。邪魔するのは無粋の極みかと。準備もあることですし、退散した方がよろしいでしょう。」
「―――それともう一つ。パトリック様、エリスには既に将来共になる事を誓い合った殿方がいますので、その方に誤解されるような事をされるのは困ります。」
「エ、エリゼ!?」
「ね、姉様!?」
「おや。」
微笑みながら言ったエリゼの言葉を聞いたリィンとエリスは驚き、執事は目を丸くし
「!!!???な、ななななななななっ!?しょ、将来共になる事を誓い合った殿方ってま、まままま、まさか……!エ、エリス嬢!今の話は本当なのか!?」
パトリックは混乱した後表情を青褪めさせてエリスを見つめて尋ね
「………………はい……………………」
「そ、そんな………………………………」
エリスが嬉しそうな表情で頬を赤らめて頷くとパトリックは悲痛そうな表情をしたまま石化したかのように固まり
「坊ちゃま…………」
パトリックの様子に気付いた執事は憐みの目でパトリックを見つめ
(アハハハハハハッ!確かにエリゼは嘘は言っていないわね♪エリスに横恋慕していたあの子にとっては大ショックでしょうね♪)
(ふふふ、ですが早めに叶わぬ恋である事を知れてよかったのではないですか?)
(アハハ…………ちょっと可哀想な気もしますけど、エリスさんはリィン様を心から愛している上既に身体も重ね合っている仲ですから、パトリックさんの入る隙間はないですものね……)
(まあ、相手が悪かったとしか言いようがないわね。)
ベルフェゴールは腹を抱えて笑い、リザイラは静かな笑みを浮かべ、メサイアとアイドスは苦笑していた。するとその時正午を知らせる鐘の音が聞こえて来た。
「この鐘は……」
「正午の鐘……もうそんな時間なのか。」
「くっ、残念だがそろそろ舞台の準備がある。シュバルツァー、刮目してみているがいい!T組とZ組、どちらが上か決着をつけようじゃないか!」
「ああ……望むところだ。お互い全力を尽くしてベストを目指そう。」
リィンはパトリックと睨みあった。
「フッ、勝つのはあくまで僕達だがな。――――エリス嬢、どうか僕の勇姿をその目で見届けてくれたまえ!それを見ればきっと君の心も変わるだろう!それと後夜祭ではぜひ僕とダンスを―――」
「坊ちゃま、講堂へ急ぎますよ。―――失礼します。リィン様、エリゼ様、エリス様。」
そして二人は去って行った。
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