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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第184話
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その場を去り

「…………………………」

エリウッド公爵夫妻達の後姿をレーグニッツ知事は静かな表情で見つめていた。



「エリウッド達が気になっているようだが……レーグニッツ知事に何か失礼なことでも口にしたのか?」

「いえいえ、とんでもない。平民の私に対して、とても丁寧に接してくれました。むしろ私の方が失礼をしたのではないかと思っているくらいです。正直、エレボニアに住まう多くの貴族達もエリウッド公爵閣下達を見習ってほしいくらいです。その………エリウッド公爵閣下の奥様もやはり貴族出身の方なのですか?」

リウイに声をかけられたレーグニッツ知事は謙遜した様子で答えた後真剣な表情で尋ねた。



「いいえ。フィオーラさんは私と同じ元侍女ですから、平民ですよ。」

「――加えてフィオーラは記憶喪失だ。当時行き倒れた所をエリウッドが拾って、記憶喪失の上身元を証明するものを身につけていなく、途方に暮れていたフィオーラの事情を知ったエリウッドの厚意でエリウッドの元で働き出した事がきっかけで二人は恋仲になり、そのまま結婚に到った。」

「そ、そうなのですか。それにしても、よく周りの方々が反対なされませんでしたな?」

イリーナとリウイの話を驚きの表情で聞いていたレーグニッツ知事は不思議そうな表情で尋ねた。

「反対はあったが俺とサフィナが黙らせた。俺達が重視しているのは身分ではなく、人柄だ。――――その者が皇族の伴侶として相応しい人柄を持っていれば、例え相手が平民だろうが傭兵だろうが俺達は気にせん。実際、エリウッドが結婚する少し前にも俺の孫が傭兵と結婚したからな。」

「フフ、”カルッシャ王公領”領主―――ヘクトルさんとかつて傭兵だった天馬騎兵(ファルコンナイト)のフロリーナさんの事ですね。」

「…………………………その、エリウッド公爵閣下は何年前にフィオーラ様を拾われたのでしょうか?」

リウイとイリーナの話を複雑そうな表情で黙って聞いていたレーグニッツ知事はやがて口を開いて尋ねた。



「―――6年前だ。当時エリウッドが拾った時、フィオーラが持っていたのはミラ硬貨とミラ札だけだったことから、ゼムリア大陸から何らかの事故によって俺達の世界―――”ディル=リフィーナ”に流れ着いたと推測されている。」

「6年前…………」

リウイの説明を聞いたレーグニッツ知事は呆け

「ちなみに後の調べで、エレボニア帝国出身という事だけはわかりました。ただ、調べによるとその方はかつて相思相愛だった婚約者に裏切られた事が原因で川に身投げをして、自殺したという事ですが…………」

「!!ま、まさか彼女は……!」

イリーナの話を聞いて血相を変えた後信じられない表情で身体を震わせたが


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