暁 〜小説投稿サイト〜
宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第二部
狩るということ
じゅうきゅう
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はAI搭載のスーパーコンピューター兼データサーバーなど、ライフラインに必要なものが積まれている。封印指定の武器が置いてあるのもこの場所だ。
 そこを上がると外に出るためのハッチが存在する、謂わばメインスペースとなっており、狩り取ってきた頭骨や死体などを処理するスペースや浄化装置、武器庫など、主に居住スペースとなっていて、医療ポットとシャワールームもここに存在する。彼女がいたのはこのフロアだ。
 そこから船首に当たるブリッジは少々高い位置にあるのだが、その通り道に私の常用する各種装備が整えられており、そこにトロフィーも飾られている。実はデッドスペースとなっている場所は意外と無く、エンジンルームのあるフロアからブリッジまでの高さは大体建物2.5階分ほどだ。

……シャワールームの排水処理施設や、珪素系生命体の彼らの手により魔改造された、封印指定している武器庫がスペースを圧迫しているのが事実なのだが、これは必要な処置なので致し方ない、と言うことにしよう。

 そしていま、騎士団のロングソードを保管している場所は、私が主に利用する武器のストックや予備のパーツが置いてある武器保管庫であり、彼女がいたフロア内なのである。

 彼女は物珍しげに船内を見渡しているが、そういえば彼女はシャワールームと休んでいた部屋以外はほとんど移動していなかったことに気付く。

「珍しいか?」
「え? あ、すみません」
「いや、気にしていない」

 自分で聞いておいてなんだが、そりゃ珍しいよな。逆に平然としている人間がいたら私の方が驚いてしまう。

「ここは家? 建物の中なのですか?」
「いや、船だ」
「へぇ、フネですか……。ふね……、船……。えぇ?! 船ですか!?」
「ああ、船だ。……この中だ」

 大方、木造の帆船やそれに類するものを想像しているのだろう。案の定、「嘘……。だって、ここ森の中……。それにこれ鉄?金属だし……」とか何とか、ぶつぶつと小さいながらも驚愕に染められた声が聞こえた。
 私はそれに応えることなく、武器庫のロックを外し、中へと進む。
 一応、全ての部屋にはもちろん、各所にロックした片側スライドの扉か左右開きのゲートが設置されており、そのセキュリティは私のDNA情報とコードナンバーを用いて開閉される仕組みになっている。
 当然、それでは彼女は部屋から一歩も出ることができなくなってしまうので、彼女を通すことのできる箇所のロックはフリーにしておいた。
 言ってしまえば自動ドアと同じ要領だ。

 左右開きのゲートが開ききり、先に武器庫へと入った私は「これだ」と、持ち帰った刀剣を指差すが、彼女からの返答はない。

 ベッタリと、既に乾いた血液が付着している物、半ばから無惨に折れている物。また正反対に、使用した形跡すら見当
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