機動戦艦ナデシコ
1328話
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にした様子もなく近づいてくる俺に対し、バッタは一瞬戸惑ったように動きを止めたものの再び機銃から弾丸を発射してくる。
延々と撃ってくるその弾丸を身体に受け、貫かれながらもすぐに白炎によって回復しつつバッタとの距離を縮めていく。
そうして距離が縮み、バッタに触れる事が出来るようになると、前足を使って俺に向けて攻撃をしてくる。
当然その攻撃も白炎により無効化され、そのまま俺が伸ばした手がバッタへと触れ……次の瞬間、バッタの姿はデブリの間から消滅した。
デブリ……岩塊を蹴って、ニーズヘッグのコックピットへ戻ると、そこには通信が送られてきている。
『ちょっと、アクセル。今の爆発は何? まだ木星蜥蜴がいたの?』
映像モニタに映し出されたマリューの言葉は、こちらを心配する様子はない。
「少しくらい心配してくれてもいいんじゃないか?」
『アクセルの身に危険が迫っているのなら心配するわよ。で?』
俺が怪我をするとは一切思っていないのだろう。いや、それは間違いない事実なんだけどな。
「デブリに挟まって動けないバッタを発見した。それを空間倉庫に収納しようとして近づいて行ったら、ミサイルや機銃を撃たれただけだよ」
『ふーん、生身で?』
「空間倉庫に収納するにはそうするしかないだろ?」
『サツキミドリ2号やナデシコの人達がそれを知ったら、どう思うかしらね。自分達の常識を信じられなくなったりしないかしら?』
マリューの言葉は、決して大袈裟ではない。
普通の人間の常識で考えれば、生身で宇宙空間に出るのは自殺行為以外の何ものでもないのだから。
「ま、その辺はシャドウミラーと付き合っていけばそのうち慣れるだろ」
『そんな真似が出来るのはシャドウミラーの中でもアクセルを含めて極一部だけなんだけど』
そんな風に会話をしている間にも回収作業は進み……やがてサツキミドリ2号から通信が送られてくるのは、1時間程後の事だった。
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