第1話Bパート
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ずにただ自分の役を全うできていた……)
記憶の奥から聞こえる拍手と歓声。その音は門司の中で再び響き渡った。
「……なんでだよ!負けたまま終わるなんて『ヒーロー』失格じゃないか!はやく立てよ!」
子供の激励もむなしく、門司は動かない。
怪物は、動かなくなった敵を見て次の標的に狙いを定めるがごとく子供の方を振り向いた。
その時だった。
「おいおい……アンコールがなったんだぜ?ここからが『第二幕』の始まりってことだろう?」
さっきまでピクリとも動かなかった門司がゆっくり立ち上がる。
その姿は先ほどと特に変わりなかったが、マスクの奥の目とLWRihterDriverに灯された炎だけは青白く燃え盛っていた。
少し遅れて気づき、振り向いた怪物に火を噴く剣が振り下ろされる。
「そいつはさっきのお返しだ。まぁ、まだチャラになっただけだがな」
余程のダメージだったのか、ここにきて怪物は初めて大きく叫んだ。
(確か『切り札は9』だっけか?)
怪物がふらふらとよろめくうちに、門司はデバイスを取り出しキーボードの『9』を叩いた。
手にしていた剣が再び万年筆の形になり、高く飛ぶ。
門司も続けてより高く飛び上がった。
「お前という紙に結末を刻んでやろう」
『MODE9:Finish LWRihting!!』
そう言うと、門司は万年筆を蹴って怪物に突き刺し、そのまま突き抜けた。
怪物は今日一番の爆発と共に跡形もなく消え去った。
それを確認した門司は子供と犬に背を向け立ち去る。
一部始終を目撃し、興奮のあまり口が開きっぱなしだった子供が一言。
「かっけぇ……」
とつぶやいたが、門司の耳には入らなかった。
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