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アインクラッド篇
movement U 絶望と希望の二重奏
アスラ戦 其之三
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『23』連撃

銀河すら消し去る破滅の刃









漆黒のエフェクトを纏い、音を置き去りにして放たれたそれが、一撃毎にアスラの命を喰らっていく。右、左、袈裟切り、唐竹割り、両手に持ち替え切り上げからの両手突き――――――――

時間にして二秒半程の出来事だったが、その何十倍にも感じられた。

『ガアアァァァァ!!?』

アスラの悲痛な叫びが轟く。HPゲージが急減少し、僅か数ドットを残すばかりとなった。いや、数ドット残してしまった。

「……っ!?しくった!!」

裏ソードスキルは、真の意味での必“殺”技だ。それこそ初撃決着モードのデュエルで相手を殺しかねない威力があるが、勿論リスクがある。

それは、『殺し切ることを前提にしている』という事だ。有り得ない火力を誇るが故に、“殺せない”という状況を想定していない。

では、殺せなかったときどうなるのか?

まず、裏ソードスキルは発動するだけで、その時点でのHPの七割を減少させる。その上で発動後、技後硬直代わりに謎の重力に襲われて、2〜3秒はまともに動けない。さらに十分間の行動阻害のデパフ(耐性無効)により、筋力、敏捷の双方が50%低下する。

誰がどう見たって隙だらけだ。俺はアスラの目の前で、そんな状態を晒す事になる。

「グゥ……………!!!」

謎の重力に、その場に押さえ付けられる。アスラがニヤリと笑った様な気がした。
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