プロローグ
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外に歩いて行く。 後ろを振り返っても、職員室意外に明かりがついているようには見えない。 まぁ当たり前か。 19時20分。 完全下校時刻をゆうに過ぎている。
携帯電話を鞄から取り出して、メールを確認するも、特にこれといって連絡もない。 電話も来ていない。 ひとまずホッとする。
「済まない、待たせたね」
と、コツコツとヒールの音が響いている。 ほんと、普段ヒールなんて履かないのに??????彼氏でもできたのかな?
「いえ、そんなに待っていませんが。 それで、何でしょうか」
「遅い時間だから送っていく。 それに君は夕飯も食べずにまた寝る気だろう」
「そんな事ないですよ。 偶に忘れるだけです」
「本を読み始めてそのまま寝落ちするような奴が言う言葉ではないと思うがね。 とにかく夕飯を奢ってやるからついて来い」
「はぁ、分かりましたけど。 何を食べるんですか?」
「自宅近くにイタリアンの店が出来たのは知っているか?」
自宅近く? あーーー、確かにある。 うん、最近できた。 でもそれはーー
「確かお高いはずと記憶してますが。 いくら何でも悪いので割り勘にしませんか?」
「生徒にお金を払わせるような安月給ではないよ私は。 ほら、いいから行くぞ」
コツコツとヒールはゆっくりと音を立てる。 慌てて俺もついて行く。 先生は微笑んでまたもグリグリと頭を撫でた。 一体なんだというんだ。
「先生、何かいい事でもありました?」
「んーー? 何故だ?」
「何か機嫌いいですし。 いつもより気合が違うというか」
ふふっと微笑んで、内緒だと肩を抱かれた。 柔らかくていい匂い。 ではなくて、学校の付近でそのような行為をしたらとか思ったら、パッと離されて、非常に残念である。
「私も一ついいかね」
「何でしょうか先生。 君もいつになく従順で素直ではないか。 どういう風の吹き回しだね」
「それを貴方が聞きますか? 距離を測りかねているんですよ。 随分と今日の先生は不可測な事が多いですから」
「距離なんて合ってないようなものだろ、特に君と私のは」
「親しき仲にも礼儀あり、ですよ」
「それを、君が言うのかね。 勝手に人の家に入り込んで本を読む君が」
「勝手に人の家に入り込んで掃除洗濯、炊事にゴミ出しまでする人がそれをいいますか?」
そう、この人は実はーーー
「まぁ、お隣だしね。 君は自身の事にはズボラすぎる。 放っておけという方が無理だ」
同じマンションに住んでいて、お隣なのだ。
「はぁ、感謝はしてますが。 そこまでではないと思いますが? 必要最低限のこと位しますよ俺も」
「最低限過ぎるというんだ。 何で洗濯が週2で、放っておくと昼ご飯しか食べないし。 布団は引きっぱなし、その周りにプ
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