プロローグ
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でした」
「全く、お前という奴は。 私が素で話す相手なのだから少しは読み取れ馬鹿者」
え、やだこの人可愛い。 何なのあざとい。 これが素なの? え、これ勘違いしていいタイプの好意持たれてる感じですか? 馬鹿な。 僕は高校生で、相手は成人してるのですが。 あ、違う。 普通に友達の好意ですよね? Likeであって、Loveではないでよね?
「先生ーーここは学校なのですから、そのような事を口にするのはどうかと思いますが」
「あのなぁ、言わせているのはお前だと思うのだが? まぁいい。用は確かにあるのだからな」
「やはりーー」
やっぱり先生は効率重視の堅物で難物だ。 顔を見やるにイラっとしてるのが分かる。 あー、やばい。 地雷踏んだわ。
「やはり、何だ? いや、お前が私の事をどういう風に思っているのか良くわかった。 門の所で待っていろ」
「いえ、先生はーー門?」
「そうだ。 いいか、すぐに行くから待っていろ」
「え、あ、先生?」
先生は荷物を持つと外に出る。 こちらを軽く睨んでおられる。
「何をしている。 早く出ろ。 もう最終下校時刻だ」
「え? あ、もう19時だ」
ウチの学校は進学校ではなく、どちらかというと部活動に身を入れている学校である。 19時というのは生徒の最終下校時刻で、それまでであれば残っていようがあまり言われない。
「済みません、すぐに出ます」
「全く。 お前、私が言わなければあと30分は検討していただろう」
「そうですねーーーでも話がそれたのは」
「いいから早く出て校門で待っていろ」
「は、はい」
ぱたぱたとスリッパが音を立てる。 校内履きを履いて、スリッパをきちりと揃えて図書室を後にする。
先生はというと、ガチャリと鍵を閉め、しまっている事を確認してからこちらを向いた。 若干頬をふくまらせ、眉をひそめている。 言いたい事があるという表情だ。 というか今日は先生の意外なところばかりに目がいく。
例えば先生がパンツではなくタイトスカートだったり、普段はつけていないネックレスや、ふわりと甘く香る香水を付けているところとか。 いつもすっぴんと言ってもいい位に薄い化粧だったのが、今日はいつもよりもしているとか。 まぁ似合ってますよ、えぇ。
と、随分と繁々観察していたので、ずいっと顔を近づけられる。
先生顔近いです。
「何を惚けている。 ほら帰るぞ」
「あっはい」
何故かグリグリと頭を撫でられた。 本当に今日の先生は何か違う。 何でこんなにドキドキさせられなきゃいけないんだ。
と馬鹿な事を考えながら置いていかれるので小走りについていく。
小走りで下駄箱まで行き、靴に履き替える。 外はもう暗く、学生の声や気配を感じない。 1人校門の
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