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ばれるヘッドギアを装着しベッドに寝転がる。ナーブギアの電源が点いていることを確認して仮想空間の異世界へと赴くための決まり文句を唱える。恐怖はまだ消え去ってはいないが同時にまだ存在している冒険心が俺を未踏の地へ誘う。

「リンク、スタート!」

覚醒された意識から切り離されるように俺は何処かへと連れ出された。






~閑話~


茅場 晶彦(かやば あきひこ)は疑問に思っていた。
暗い暗い深淵のような一室に茅場 晶彦は存在した。自身を照らす唯一の光は無数にあるかと思える大量の液晶画面。茅場 晶彦が創造した世界が映し出されている。
これから始まる自分が統治する世界は完璧なものであった。いや、自分が完璧に創り上げたことは誰の目にも明らかなはずだった。世界から隔離されながらもその存在を世界に依存しなければ継続できない偽造(ほんもの)の世界。今、約1万人の魂は我が手中にあると、茅場 晶彦は確信していた。先ほどまでは。
その異変に気づいたのはプレイヤーを管理している画面上をくまなく問題がないかどうかをチェックしている時だ。全てのプレイヤーが順調にログインしていく中で一つ奇妙な反応を目にする。

「...おかしい、私が定めた開始位置ではないところだ...。何故?」

それはたった一つ、1万人を越える無数のプレイヤーの反応の中のほんの小さな光。全プレイヤーのスタート地点であるはずのポイントから離れた街中の大通り。一つだけいきなり現れたプレイヤー反応。これは本来、ありえないことだった。いや、機能上の設定を使えば任意の位置にプレイヤーを配置させることなど容易なのだが、茅場はどの端末、ナーブギア、にもそのような設定変更を組み替えた覚えはない。確かに自動的にプレイヤーを選択し成長させる、万分の一の確率で出現する機能は設けた。しかし、オープン初日から出現するようなものでは決してありえないことだと茅場は知っていた。
訝しげに思った茅場はプレイヤーの情報を開示する。もし、問題があれば、いや本来の仕様に支障をきたすようなバグであれば早急に対処しなくてはならない。設計上プレイヤーのバグはこちらのほうで処理、改善することはできる。茅場は開示したプレイヤーキャラクターの機能を一通り点検し始めた。

「これは、ナーブギアの製造ミスかなにかか?いや、プログラマーたちのミスか...?」

プレイヤーキャラクターのメニュー画面を一通り見終わるところで茅場は顔をしかめる。本来ならばこのようなことはあってはならない。危うく茅場が目指す世界に亀裂をいれるところであった。

そのプレイヤーのメニューバーにはログアウトボタンが存在していた。

何故、こんなことが起きたのか茅場は様々な可能性を考えたが全てを一斉に放棄した。なに、修
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