四十六話:終末の訪れ
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たとしてもギンガが相手をしていたであろう。それほどに今のスバルは壊すことに特化している。
「この感じ……いつものスバルじゃない。操られているのね、スバル?」
「…………」
ギンガからの問いかけに何も答えないスバル。その反応にギンガは妹は操られているに違いないと確信する。姉として妹を傷つけるのは許容できない。魔力攻撃で気絶させて連れて帰るのが一番だと判断し母の形見であるナックルを軽く撫でる。まるで自分に妹を守る力をくださいと天国の母に祈るように。
「いいわ。スバルがどんなになってもお姉ちゃんが何度でも助けてあげるから!」
家族として、姉として、決して譲れない戦いがある。それを自覚し雄叫びを上げるギンガをスバルは相も変わらぬ金色の瞳で黙って見つめ続けるのだった。
「ギンガさん大丈夫かな?」
「キュルー」
「うん、信じるしかないよね」
遠方に見える悲しい姉妹の戦いを見やりながらキャロはフリードと話す。今の自分達では援護にも入れず、入ったとしても足手まといになるだけ。それが分かっているもののやはり心配なのは変わらない。二人の無事を心の中で祈り自分の戦場に目を戻す。
相も変わらず片方が仕掛ければもう片方がそれを潰すという一進一退の攻防が続く。だが、フォワード陣に焦りはない。そもそも彼らの役目は時間稼ぎと相手の体力を少しでも削ること。このままの状況を続けてもフォワード達の目的は達せられるのだ。
(このまましっかり粘ればいけるわ。ちびっ子達、ここが踏ん張り時よ!)
(了解です!)
(任せてください!)
ウェンディと壮絶な撃ち合いを行いながら念話を飛ばすティアナ。その声の力強さにエリオとキャロは自身の勝利を確信し攻めの手を上げる。だが、それは時として油断となり慢心となる。突如として緑色の閃光がティアナの背後に複数現れる。
「なっ―――!?」
無数のレーザー光線に撃たれ爆炎の中に消えるティアナ。その攻撃の正体がオットーのISであるレイストームだと以前の経験から即座に判断したエリオは思わずティアナの方を振り返ってしまう。
「ティアナさんッ!」
「よそ見してるんじゃ―――ねえッ!!」
「ぐあぁッ!?」
その隙をノーヴェは逃さない。鉄柱ですら軽々しく砕く強烈な蹴りをエリオの脇腹に叩きこむ。容赦なく突かれた隙に為す術などなくエリオはボールのように吹き飛んでいき壁にのめり込んでようやく止まる。
「フリード! 早く二人の援護に行こ―――ッ!」
「残念だけど、そうはいかせないっスよ」
仲間の危機にすぐに援護に向かおうとするキャロとフリードだったがいつの間にか桃色の魔法弾に周囲を取り囲まれていた。ティアナとの戦闘から自由になったウェンディが今度はキャロに狙い
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