四十六話:終末の訪れ
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を吐き出すノーヴェに冷静に相手の強さを計るエリオ。対照的な反応ではあるが現在の戦況においてはさして差を及ぼすものではない。それを示すように両者の頭部目がけてオレンジの弾丸と桃色の弾丸が飛んでくる。そしてお互いにぶつかり合い消滅する。
「へへ、お互いに考えることは一緒っスか」
「くっ、相手も同じじゃ……」
ぶつかり合う前衛の後ろから相手の心臓を狙い続ける二人の狙撃手。ウェンディは本当に戦闘かと疑いたくなるようなへらへらとした笑みを浮かべ。対するティアナはウェンディを抜かなければこちらの攻撃は通らないと分かり苦虫を噛み潰したような表情をする。
「フリード! エリオ君をフォローするよ!」
「キュクルーッ!」
しかしながらフォワードには空から竜を用いて攻撃を仕掛けるキャロとフリードが居る。竜としての能力を存分に生かした攻撃、火炎を吐きノーヴェとウェンディを吹き飛ばそうと狙いを定める。だが、相手もそれを許すような弱い者ではない。
「邪魔はさせません、ツインブレイズ!」
「っ!? フリード、避けて!」
横薙ぎに赤い双剣が一振りされる。それを宙で身を翻すことで躱すフリード。そのことに対しても何も思わないのか攻撃者であるディードは無表情である。そして、まるで曲芸のように宙を飛ぶガジェットに飛び移っていく。彼女の姿に空の上といえど安全圏ではないとキャロは冷や汗を流しながら再認識する。
三対三で戦力としては拮抗している。戦術としてはどちらも相手を一気に破り去るカードは持ち合わせている。しかし簡単には使わない。最高のタイミングで切ってこそ切り札とはその効果を発揮するものなのだから。そして、もう一つこの戦況を動かす大きなポイントがある。四人同士で敵と遭遇したにもかかわらずどちらも一人を抜いて戦っている理由でもある。
「スバル! 目を覚ましなさいッ!!」
「…………」
三人とは少し離れた場所にて宙に無数の道が創り出されている。その上を二人の少女が互いの拳をぶつけ合いながら疾走していく。空を彩るそれは一種の美しさと物悲しさを見る者に与える。それも当然だろう。二人は“人間として”生まれた時から過ごしてきた姉妹なのだから。
「どうして…! 何も答えないのよーッ!」
「標的を行動不能にした後回収……」
「スバルッ!!」
どちらも急にチームに入ったようなものなので高度な連携は取れない。そのため三人の邪魔にならないように個人で自由に戦闘をさせた結果、丁度姉妹で争うことになったのだ。だからと言って二人が弱いというわけではない。
お互いに近接戦闘の破壊力においてはこの中ではトップクラス。故に二人の体がぶつかり合う度に振動が大気を揺るがし轟音が響く。仮にスバルが他の戦闘機人と連携を取ってい
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