四十六話:終末の訪れ
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みちあたし達は中に入って止めねーと勝ちはねぇんだ」
「そうだよね。ゆりかごを止めるには中の駆動炉を破壊するか、聖王……ヴィヴィオを止めないといけない」
「入らんかったら負け、入ったら罠。やったら罠を食い破る方に賭けるしかないわな」
どのみちこのままでは消耗戦となり勝ち目はない。どれだけ怪しく危険なに臭いがしようとも自分達はゆりかご内部に侵入を試みる以外に道はない。実によくできた罠だ。その存在に気付いたとしても避ける術が存在しないのだ。これを考えた人間は理由が何であれ悪辣で辛辣な人間に違いない。
「なのはちゃん、ヴィータ。……行けるな?」
「当ったりめーだ! はやてからの命令なら地獄の底でも行ってやるよ!」
「私もどこでも行っていいよ」
「二人共……」
下手をすれば死んでしまうかもしれないような場所へ突入させるというのに笑いかけてくる二人に声を詰まらせるはやて。親友というだけで命を懸けてくれるなのは。家族として騎士としてその全てを奉げるヴィータ。感謝の言葉を幾ら伝えたところで足りないと断言できる程に恩がある。だから、はやては礼を言うでもなくただ命じる。
「機動六課部隊長として命ずる。ゆりかごに乗り込み進行を止めること」
ゆりかごの停止の任をまかせることを命じ。
「重ねて命ずる。全ての力を出し切って戦うこと」
さらに地上の人々の為にその命を懸けて敵と戦い抜くことを命じ。
「最後に、必ず―――生きて帰ってくること」
最後に決して死んではならないと自身の本当の気持ちを告げる。
二人はその言葉に再び笑い、はやてに向かい敬礼する。
「スターズ1、高町なのは承りました」
「スターズ2、八神ヴィータ承った」
「ええか? 地獄の釜の蓋をぶち抜いてでも帰ってくるんやで」
「なのはの得意分野だな」
「ヴィータちゃんもでしょ?」
お互いにからかうように声を掛け合い少し気を落ち着けた後に表情を引き締める。そして、振り返ることもなく真っすぐにゆりかごに向かい飛び立っていく。一人残ったはやてはその様子を何かを耐えるように見つめた後、首都防衛隊の指揮に戻るのだった。
【さあ、次代を担うにふさわしい者かどうか。私が見極めてあげよう】
二人の先に待ち受ける存在が何なのかを知らぬままに。
ノーヴェの嵐のような猛打。掠りでもすれば体ごと持っていかれるのではないかという重い拳。それらを掻い潜りながらエリオは最短最速で敵を射抜く刺突を繰り返す。だが、相手も戦闘機人の能力をフルに活用した動体視力による先読みで避け続ける。息詰まる一進一退の攻防が続いていく。
「くっそ、ちょこまか動きやがってチビが!」
「この人強い…!」
当たらない攻撃にイライラ
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