とある国の王様
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幼い俺は読み聞かせてくれた父親に尋ねた。
『なんでこの王は悲しくないの?』と。
子供のくせに的を得た鋭い質問に、父親は少しだけ悩んでから笑って言った。
『きっと、間違いではなかったことを教えてくれた誰かがいたんだよ』と。
それが、その場しのぎの言葉だったのかどうかはわからない。
でもたしかにそれならばわかる。このお伽噺に描かれなかった誰かがいたんだったら、王様が幸せなまま眠りにつくのも理解できなくもなかった。
そして、一つだけ思いを馳せた。
もし、自分がその誰かならば、どんなことを王にしてやれるのだろう、と。
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