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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
終章〜士官学院祭、そして―〜 第176話
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とツーヤはそれぞれ苦笑しながらエリオットを見つめた。
「ご、ごめん。良いものにしなきゃって思ってたらつい……」
「はは、気にするなって。」
「そなたとアムドシアス殿の叱咤があったから即席の
演奏班
(
バンド
)
も何とかまとまったのだろうしな。」
「ああ……きっと良いステージになる。」
(これでお金を取らない所が勿体なさすぎるわよね〜。)
(ヴァ、ヴァレフォルさん……)
「えへへ……」
ラウラとガイウスの言葉にエリオットは嬉しそうに笑い、ヴァレフォルの念話を聞いたエマは冷や汗をかいた。
「はあ……」
「な、何とか歌の方は形になったとは思うが……」
「……くっ……本当にアレをやるのか……?」
一方ボーカルを担当するエマは当日の事を考えて疲れた表情で溜息を吐き、マキアスは表情を引き攣らせ、ユーシスは唇を噛みしめて呟いた。
「オラオラ、いい加減、往生際が悪いっつーの。少しは文句も言わずに練習に励んだアイドスを見習えっつーの。」
ボーカル担当の愚痴を聞いたクロウは口元に笑みを浮かべて指摘し
「ふふっ、エマの歌なんてかなりの完成度じゃない。」
「うむ、あれで衣装をまとえばさぞ舞台映えするだろう。」
「男子の目、釘付け。」
「いつもと違うエマさんに皆さん、きっと驚くでしょうね♪」
「ふふっ、そうだね。」
「成功する事、間違いなしですね。」
「ううっ、プレッシャーをかけないでくださいよ〜……」
女子達の感想を聞いたエマは疲れた表情で呟いた。
「はは、マキアスとユーシスも最後には完全に合わせられたな。」
「ああ、最初の頃はどうなる事かと思ったが……」
「うんうん、とっても好対照なデュオになったと思うよ。」
「そ、それが納得行かないんじゃないか!」
「フン……恥辱の極みだな。」
リィンとガイウス、エリオットの感想を聞いたマキアスは声を上げて反論し、ユーシスは鼻を鳴らしてジト目になった。
「ふふ、やってるわね。」
その時サラ教官とレーヴェが教室に入ってきた。
「旧校舎の使用許可は学院長から取ってきたわ。今日と明日の2日間、自由に使っていいそうよ。」
「勿論、施錠をお前達がしっかりやる事も条件に含められてある。」
「ホ、ホントですか!?」
「ふう……正直、助かりました。」
サラ教官とレーヴェの話を聞いたエリオットは明るい表情で声を上げ、リィンは安堵の溜息を吐いた。
「やはり音楽室の練習だけでは本番の感覚は掴めぬしな。」
「結局、講堂の舞台はT組がずっと使ってたものね。」
「あちらは劇である以上、仕方ないか
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