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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第174話
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うとしたその時、エリスが必死の表情で声を上げた。
「エ、エリス?」
「だ、だって……どんな得体の知れない相手が待っているかわからないのに……!そんな場所に……兄様達を行かせる訳にはいきません!」
「エリス……彼らは士官学院の生徒。危機に立ち向かう術を学ぶ者達だ。お前の兄も同じ……見守ってあげなさい。」
「父様……!でも、でも……!」
「エリス……大丈夫だ。」
シュバルツァー男爵に反論しようとしたエリスをリィンは優しく諭し始めた。
「兄様……」
「あの時と似た状況だけど、今回はみんながいるんだ。俺はきっと……”あの日”を乗り越えて見せる。だから……いい子で待っててくれ。……な?」
「……わかりました。絶対に……無事に戻って来て下さい……!もし戻って来なかったら、私が姉様と一緒に兄様を助けに行きますから……!」
「ああ……わかっている。」
真剣な表情で自分を見つめるエリスの言葉にリィンは静かに頷いた。
「フフ、リィンの事は私達に任せてちょうだい。」
「ああ!きっと無事に戻ると約束しよう!」
「はい……よろしくお願いします……!」
そしてアリサとマキアスの言葉に頷いたエリスは頭をアリサ達に頭を深く下げた。
「それじゃあ、行ってくるよ、エリス。」
「ええ……行ってらっしゃいませ、兄様……!」
その後準備を整えたリィン達はユミル渓谷に向かった。
〜ユミル渓谷〜
「ここでようやく中腹を越えたくらいだ。この渓谷のどこかに、手紙の差出人がいるはずなんだが……」
(この渓谷……精霊の気配を感じる。まさか……何かの封印……?)
リィンの説明を仲間達と聞きながら雪道を歩いているエマは真剣な表情で周囲を見回した。
「というかエヴリーヌ!君だけ浮いているとか、ズルイだろう!?」
「何度も実戦を経験している癖に、団体行動に足を乱してはいけない事を知らんのか?」
マキアスは疲れた表情で浮遊魔術で浮いて先へと進んでいるエヴリーヌに指摘し、ユーシスは呆れた表情で指摘した。
「だって、雪道歩くの面倒だし。それにエヴリーヌだったら、一人でも大丈夫だよ。」
「このガキは……」
「ま、まあまあ。その代わりエヴリーヌさんが最前線に立って積極的に襲い掛かってくる魔獣達をすぐに倒してくれるから、わたくし達は体力が温存出来ていいじゃないですか……」
エヴリーヌの答えを聞いた顔に青筋を立てているユーシスに気付いたセレーネは苦笑しながら諌めた。
「フウ……雪山はさすがに骨が折れるな、エマ。」
「えっ!?そ、そうですね……!魔獣達も妙に殺気立っていますから、突破が困
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