第二十話 もう一つの帝国の姿
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と伊丹に割り当てられた部屋である。晩食の時間で食事が終わると伊丹はベットで仰向けで寝転んでそんな事を呟いていた。しかもベットにはちゃっかりと帝国ホテル・大和店にある図書室から借り出された漫画で埋まっていた。
帝国ホテルでは、漫画も含めて様々なジャンルの本が無料で借りる事が可能である。その種類は下手な本屋より豊富であり、そのため伊丹の趣味に合う漫画が沢山あった為に、現在は漫画を読みながら「休みたい」「仕事したくない」など本心を呟きながら漫画を読んでいた。
「日本と同じような漫画がアカツキ帝国にあってマジで感動ですよ」
「それを言ったら俺もだ。漫画文化祭と同じようなイベントが日本にもある事が驚きだ」
「ここまで似ていると本当に同じ民族って感じですね」
「全くだ」
お互いの文化に類似点が多い事に同意するように呟いて頷く二人であった。ちなみに漫画文化祭とは、日本でいうコミケに位置するイベントの事である。毎年夏と冬に二回ほど開催されており、特に無名なクリエイターたちの登竜門とされており、このイベントで有名となったクリエイターは、漫画家やアニメーターといった分野で有名となるとされる程であり、毎年星の数ほどの同人作家が応募に来るのだ。イベントのクリエイターに選ばれる事だけでも名誉されている。
「日本の漫画で嵌ったのは俺はめい☆コンだな」
「お、島田大尉もめい☆コンの良さが分かりますか!」
「おうよ。あの斬新な魔法少女の設定はたまらん。俺の嫁は主人公の桜木めいの妹のはづきだ!」
「俺はエミュです。あのクール系で実はタコが苦手というギャップが!」
「それを言ったら俺のはづきは……」
二人のオタクトークは続く。特に島田は本当の嫁がいるだろうと、ツッコミが満載であったが島田は気にしない。二次元と三次元は別物であると理解しているため、このような会話が続くのであった。
ーーー。
深夜二時くらいになると伊丹は既に爆睡していた。だが島田はまだ起きており、そして静かに部屋から出て行き、帝国ホテルを出ると黒田がいた。
「黒田さん。俺に何のようですか?しかも、こんな時間に俺を呼び出して」
「ここだと目立つ。近くの公園まで来い」
そう言われて島田は黒田についていく。そこは深夜の時間帯でもあり、人の気配などない静かな自然公園であった。そんな自然公園に設置されているベンチに座り、島田と黒田は話す。
「帝国と日本による首脳会議。今回の会議が決まれば帝国は、表向きだが日本とアカツキ帝国の友好国というポーズを取る」
「内心では認めてないと?」
「当たり前だろ。保護した和議派の貴族達も、日本とアカツキ帝国の武力は知っているが、内心では何を考えているのか分かったもんじゃない。実際に帝国は
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