第二十話 もう一つの帝国の姿
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機から降りて、空港ロビーに足を踏み入れると、そこには黒いコートを来た男性達がいた。
「自分は護衛役の黒田と申します。飛行機の長旅ご苦労様です」
黒田と名乗る中年の男性。人が良さそうに見える中年男性だが、何処か独特のきな臭い雰囲気を纏っており、油断もスキも出来ないと判断してしまう印象を与えている。
黒田を名乗る中年男性を見て島田は嫌な表情を崩そうともしなかった。
「何で黒田のおやっさんがいるんだよ」
「久しぶりの再会だってのに相変わらず変わらないな島田」
「ええ、本当に久しぶりですね」
露骨に嫌がる表情を崩そうともしない島田に、伊丹はこの人物が厄介だと理解してしまった。島田が本当に隠そうともしないで嫌な表情をするときは、本当に島田が心底嫌がっている事だと伊丹は第三偵察隊と一緒に行動して理解しているからだ。
「アナタが伊丹耀司二等陸尉ですね。噂は聞いていますよ」
「自分をですか?」
「ええ、少数で炎龍に挑んだ第三偵察隊隊長。貴方の武勇は軍でも有名ですよ」
それを聞いて伊丹は苦笑いしている。同行している栗林も富田も苦笑いだ。特に栗林は、基本的に伊丹を見下してはいないが、伊丹のオタク趣味にかんしては受け入れられずに普通に「キモオタ死ね」と思っている為に、伊丹自身の性格もあって伊丹に勇者みたいな偉大であるなど思ってもいないからだ。
そんな風に世間話を少し続けた後に国防省が用意したバスで、首都大和にある帝国ホテルに連れていく。これに対して疑問に思ったピニャが黒田に対して質問した。
「このまま元老院に行かないのか?」
「ええ、前田閣下は到着が夕方であると聞いて会談は明日にと判断しました。飛行機の長旅もありますので今日はゆっくりとお休みください。」
黒田にそう言われて納得したようにうなずく。そしてバスから見る景色にピニャは驚きが隠せなかった。
(このような強大な建物を建てる国家と戦争を始めてしまったのか、帝国は……)
バスから見るアカツキ帝国の首都大和のビル群に驚いていたのだ。そして他にもファルマート大陸組も同じようにバスの窓から見る大和の景色に驚きが隠せていなかった。
しばらくして帝国ホテルに到着して面々は、荷物等を従業員が預かり、各々の部屋に案内された。帝国ホテルは部屋は、和室と洋室の二つに分かれており、ファルマート大陸出身者のピニャ達は西洋風の文化で育った事を理解しており、政府は高ランクの洋室を用意させた。
島田や伊丹達は護衛役でもあった為に、用意された部屋はピニャやロウリィに劣るが高級ホテルである事には変わりない為に、伊丹達は「俺達もVIP待遇」と驚いた程であった。
「あ〜このまま年末までいたいよ〜」
「そんな無責任な……」
ここは島田
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