第5章
冥界合宿のヘルキャット
第104話 怒号の緋幻龍
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た俺は殺意に満ちたセリフを口にする。
ー○●○ー
「……明日夏君……」
今明日夏君が口にした短い言葉には恐ろしい程の殺気が込められていた。
明日夏君の中で今どれ程の怒りと殺意が渦巻いているのだろうか?
明日夏君はゆっくりと神喰狼へと近付いて行く。
神喰狼は明日夏君から少し離れた場所で岩に叩き付けられていた。 おそらく、今の状態の明日夏君の一撃でそうなったのだろう。そして、体を縛っていた鎖もその一撃によってなのか、砕け散っていた。
「せっかく用意したグレイプニルをどうしてくれるのよ!?」
「完全にプッツンしてるな、ありゃ」
「キレたと言う事ですか。しかし、その割には冷静に神喰狼を見据えていますね?」
アーサーの言う通り、今の明日夏君は間違いなく、怒りが頂点に達しているだろう。にも関わらず、明日夏君は冷静そのものだ。普通なら、怒りに囚われれば、周りが見えなくなり、動きも単調化するものだ。僕でさえ、聖剣への憎しみを再発させた際にはそうなってしまった。
だが、明日夏君は激情状態のさらに先まで怒りが高まると、逆に冷静になっていく節があった。
以前、アーシアさんを助ける際に堕天使レイナーレと対峙した際にもレイナーレのイッセー君に対するあまりな言い分に怒った明日夏君はあの様な状態になっていた。
ギャオオォォォオオオオオオン!
神喰狼が遠吠えを上げて、明日夏君に迫る!
ガブッ!
神喰狼の牙がオーラのドラゴンの腕に深々と刺さる!
ギャウン!?
だが、神喰狼は口から煙を上げながら口を離す!
明日夏君が扱う緋色のオーラは攻撃性を持つ物。あのドラゴンは触れるだけで相手にダメージを与えられるのだろう。
怯んだ隙を明日夏君が逃すはずも無く、ドラゴンの拳の連撃が神喰狼に叩き込まれる。
拳が当たる度に神喰狼の体を焼かれ、鮮血が飛び散っていく。
「ッ!?」
連続で攻撃していた明日夏君に異変が起こる!
袖や額から酷い量の血が流れていた。服のあっちこっちからも血が滲んでいた。
そして、すぐに悟る。明日夏君は限界を超えたオーラの放出を行っており、それに体が耐えきれなくなっているんだと。
「……時間もねえ。とっとと決める!」
そう言った明日夏君は神喰狼をドラゴンの腕で抑え付ける。
そして、ドラゴンの口が開き、そこにオーラが集中していき、巨大な塊ができ始めていた!
あれはイッセー君のドラゴンショットに似ていた。おそらく、オーラを一点に集中させて撃ち出すところも同じなのだろう。
だが!
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