第百七話
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るための空中に浮遊する転移門であり、そこそこの速さのスピードで二人の妖精は飛翔していく。
「それにしても解散かぁ……せっかく仲良くなれたのに」
「まあまあ。誰だって事情はあるわよ」
「それは分かるけど……」
やはり突如として告げられた解散に納得がいかないのか、飛翔しながらリーファは不満げな表情を見せる。リズにもそんな残念な気持ちはもちろんあるが、かといって解散するな、などと言えるわけもなく。
「笑って見送って、またおいで、って言ってやりましょ。その為にも、フロアボスに勝たせてやらないと」
「そうなると……やっぱりシャムロックがなぁ……」
もはや名実ともに最大勢力となった、あのセブンが率いるギルド《シャムロック》。メンバーを集めるのに手っ取り早いからか、彼らはフロアボス攻略を熱心に進めていた。いつだか自分がショウキに言ったことのある台詞だが、やはりセブンという一人の偶像が攻略する、という図式が受けるのか――
「……ん?」
――というところまで考えたところで、リズはある事実に気づくことになった。先の二十二層攻略戦の自分たちとのように、他のギルドや領と攻略することもあったが――今までのフロアボスは、全てセブンが率いて倒している。
最大勢力となるほどのメンバーを集めて、黒鉄宮に毎度のように名を刻み、そして彼女は。アイドルのセブンとしてではなく、VR研究者である七色・アルシャービンは何を考えているのだろうか……?
「リズさん?」
「……ううん、ちょっと考え事。シャムロック以外にも、各領も今はアインクラッドに来てるしねぇ」
特に攻略に熱心なサラマンダー領、シルフ領、ケットシー領といったところか。擁するプレイヤー最大数の名はシャムロックに譲ったものの、幹部ともなればどのプレイヤーたちも旧ALOからの生え抜きだ。しかしてシルフ領の話題になった時、少しだけリーファの顔に影が差した。
「その……レコンから聞いた、あんまり言わないで欲しいことなんだけど」
少し迷ったようではあるものの、リーファは言いにくそうに、シルフ領に属する友人ことレコンの話題を出して。多分レコンも話す時に『リーファちゃんだから話すけど』――などと前置きしただろうけれど、リズも気になることは気になるので、特にそのことには触れないようにして。
「最近、シルフ領であるPK集団が流行ってるの」
「そりゃまた……命知らずね」
リズがそんなすっとんきょうな反応を返した理由は、個人的にも彼女と進行があるシルフ領の領主、サクヤの存在によることが大きい。彼女なら領内でPKがあれば、即刻討伐隊などを編成しそうなものだが。
「うん。サクヤも領騎士から討伐隊編成したんだけど……返り討ちにあったって」
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